表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
81/122

第80話 平安祭・体育祭編

5月を迎えた私たちは、高等部の方で体育祭が行われるので平安館高等部はその準備をする。


中等部時代は9月に行われていたけれど、当時の私たちは仕事に追われて参加出来なかった。


それでも今年はどうしても月光花に学校のイベントを全出演していただきたいと理事長からのお願いで卒業までは学校のイベントに全て参加する。


体育祭は普通の学校で行われる運動会と変わらないけれど、体操着という制度がない平安館ではその日だけ特別に自前のスポーツウェアを着る事が許されている。


るり先輩やつばき先輩、わかば先輩は生徒会として体育祭実行委員を仕切り、私たち新入生は先輩たちの言う事を聞いて行動する。


体育祭のチーム分けは紅組と白組…みたいに色分けではなく、宝塚にある劇団を参考にクラスごとに壱組は花組、弐組は雪組、参組は月組、肆組は星組、そして伍組は宙組の5組に分かれる。


花組は緑、宙組はピンク、雪組は青、月組は黄色、そして星組は赤のハチマキを渡される。


そしてついに準備が終わり、体育祭が始まった。


「これより、第2000回平安館大学付属平安館学院・女学校高等部の体育祭を行います。選手…入場。」


私とすみれちゃんとひまわりちゃんは壱組になり、るり先輩は星組、そしてわかば先輩とつばき先輩は雪組になった。


最初の競技はクラス対抗の徒競走で学年ごとに全員参加形式のレースになる。


私は走る事に自信がなく、わかば先輩も体育祭だということでかなり気分が落ち込んでいた。


1年生が先で、私はもちろん5位…ひまわりちゃんは2位、すみれちゃんは堂々の1位を獲得する。


2年生ではつばき先輩は3位、わかば先輩は4位に大差をつけられて5位、るり先輩は4位になった。


その次に男子で、野球部員が圧倒的速さを見せつけ、婚約者の稲田くんも俊足を見せた。


次の競技は…


「さぁ続いての競技は1年生クラス対抗大縄跳びです!大縄を最高どれくらい跳んだかを競うシンプルなゲームです!」


「私とひまわりちゃんで回すんだよね。」


「うん。幼なじみの絆を見せようね!」


「うん!」


「私が先頭を仕切るからみんなも頑張ろうね。」


「はい!」


「きゃー!すみれサマー!」


「せんぱーい!ファイトですー!」


「女学校の中等部って授業中じゃなかったっけ…?」


「私に聞かれても…。」


「成績が優秀だと特例で授業を抜けてイベント鑑賞や学校外での活動、他にも部外者への案内や説明などが許されるらしいよ。つばきが教えてくれたんだ。」


「はえー…すみれって幼稚園から通っている私たちより詳しいね。」


「いずれ私もファンクラブの推薦で生徒会に立候補するだろうし、今のうちに校則を理解する必要があるんだ。」


「人気になると大変なんだね。」


「では…よーい!」


ピストルの音が鳴り響き、私とひまわりちゃんは言葉を交わすことなく大縄を回し続ける。


というよりも幼稚園の頃からずっと一緒に遊び、アイドルとしても共同生活を長くやっていたからか、何も言わなくても通じ合っていた。


すみれちゃんもそれを察し、クラスメイトのみんなは私たちにタイミングを委ねる。


そして一度もミスすることなく1分を跳び終え、ノーミスの100回超えを果たした。


「これは学園新記録です!しかもノーミスで跳びきったのは史上初です!2000年の歴史上初の出来事だ!花組の圧倒的優勝!」


「やったー!」


「続いて男子の大縄です!男子は女子を超えることが出来るのか!?」


一方の男子は身体能力は高いけれど、体育会系と文化系との呼吸が合わず、中にはやや空気が悪くなる組もあった。


大縄跳びが終了し、2年生の棒引きが行われた。


つばき先輩が先頭を仕切るも、わかば先輩は遅れを取って気が付けば棒に一度も触る事がなく終わってしまった。


最後の3年生の騎馬戦はるり先輩は身長が高く騎馬の後ろにいて、日舞が控えているのでケガしない様に周りもサポートした。


そして平安館高等部体育祭名物、男子による騎馬戦が行われた。


「っしゃー!いくぞー!」


「うおーーーーーーー!」


「え…?男子は上半身裸なの…?」


「どうやらそうみたいだね…。」


「迫力あるなぁ…。」


「春日さん…俺も3年になったらあれをやるんだよな…?」


「稲田くんも多分やると思うよ…。」


「鎖骨折らないようにしよ…。」


1年生の男子は上半身裸で騎馬戦をすることに少し恐怖を覚え、私たち女子は体育会系のノリと勢いを感じた。


お昼休憩を挟んだ私たちは月光花としてライブを行い、新曲の麗しき舞妓が好きな人に淡い恋心を抱く演歌風ポップスになる。


私たちはライブの代わりに応援合戦を免除され、その応援合戦の間に昼食を取って休憩する。


部活対抗リレーでは柔道部、剣道部、空手部、少林寺拳法部、合気道部、杖道部、なぎなた部、弓道部、居合道部、抜刀道部、駅伝道部、蹴鞠部、そして忍術部が出場する。


男子はプラスで野球部と相撲部があり、相撲部はまわし姿で注目を浴びていた。


結果は女子は忍術部、男子は圧倒的に野球部になり、春の選抜ベスト8は本物だと思い知った。


次に学年金混合で持久走が行われ、ここからは走る系の競技中心になる。


ひまわりちゃんとつばき先輩、そしてるり先輩が出場する。


ひまわりちゃんとつばき先輩は身体能力と体力があるのは知っているけれど、るり先輩は舞踊は一番だったけど運動はどうなのか未知数だった。


「負けないよ!つばき!るり!」


「望むところだ。だがるりをあまり舐めない方がいいぞ、ひまわり。」


「うふふ、大げさでございますよ?でも私も負けないでございます。」


「位置について…」


ピストルが鳴ると一斉にスタートし、3kmを競い合う。


ひまわりちゃんとつばき先輩は最初からいいペースを走り、るり先輩はトップ集団だったり真ん中に行ったりと何だか様子を伺っている様子だった。


もみじちゃんが毎日走り込みをしていて体力があるのは知っているけれど、最近はるり先輩も走り込みを始めたらしい。


後半になると周りがバテはじめ、るり先輩は一気にごぼう抜きしていった。


ひまわりちゃんはビックリしたあまりに体力を奪われ、ペースが落ちて3位に転落していった。


優勝はるり先輩になり、つばき先輩は悔しそうだった。


「ねぇ…どうしてるりはそんなに体力があるの…?」


「知らなかったのか?るりはもみじと毎朝走り込みをしていて、今やもみじと同じペース同じ距離を走れるのだ。」


「それ先に言ってよー!」


「能ある鷹は爪を隠すのでございますよ?」


「大人の余裕だ…。」


最後は花形のリレーで、すみれちゃんとわかば先輩が出場する。


すみれちゃんは相変わらず足が速く、あっさりと1年生の1位を獲得。


2年生のわかば先輩はゴール手前でペースが落ちた上に派手に転んで恥ずかしそうにゴールしていった。


最後の競技…というより見世物は私による流鏑馬で、人妖神社の復興記念としてパフォーマンスをする。


いつものサクラオーも今日は機嫌がよく、流鏑馬も成功した。


そして…


「第5位…雪組!第4位…宙組!第3位…星組!第2位…月組!第1位…花組です!」


「やったーーーーーーーー!」



「私たちが優勝だよ!やったよ!」


「嬉しい…やったー!」


「みんなで頑張った証だね。嬉しいよ。」


「おめでとう。次は負けないよ。」


「うん!」


こうして体育祭は終了し、私たちの平和な学園生活はまた通常に戻った。


一方の中等部は転校生としてもみじちゃんのクラスにヒメギクちゃんが転入してから新しい生活を始め楽しそうに過ごしているらしい。


稲田くんも野球部で新人ながらベンチ入りも確実になり、夏の甲子園に一歩近づいた。


つづく!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ