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第67話 こころ

サトリーヌによる人間への嫌悪を聞くことが出来、私はサトリーヌの本音を聴きだし本気でぶつかり合う事になりました。


私は誰かのために自分を犠牲にする戦いをやめ、今まで守ってくださった両親と、支えてくださった仲間の皆さんとの出会いや暮らしを、自分自身が信じた道を守り抜く戦いをすることにしました。


扇をギュっと握りしめ、烏天狗の能力で(くう)を飛び、その勢いでサトリーヌに立ち向かいました。


「私はもう…迷いません!」


「くっ…!どこからそのような力が…!」


「人間は愛されればとてつもないパワーが発揮されるのでございます!あなたは人間を少々把握しすぎてしまわれたのでございます!ですが人間の可能性には目を向けることが出来ず、今こうして迷っているのでございます!」


「こうなれば…強制開心術!」


「させません!天狗の能力!竜巻起こし!」


「きゃぁっ!」


「これがハヤテさんの能力…。感謝いたします…。」


「うふふ…まだまだ私も人間の事をわかっていなかったようね…。このままいけば私はあなたに敗北するでしょう…。でも…それはザイマ一族の誇りと…パパの経験してきた苦しみに傷をつける事なのよ!第三の目よ!こいつの動きを封じなさい!」


「うっ…!身体が…重いでございます…!」


「この第三の目を直視した人間は重力が100倍になり、動くどころか圧力で潰されるほどの重力で命を奪う妖魔界の禁断の術よ!これを耐えられた人間は誰一人とていないわ!さぁおとなしくここで潰されて死になさい!」


「私は…これしきの事で…死ぬわけにはいかないでございます…!まだ…日舞でのリベンジも…月光花の皆さんと共に…ライブで世界を1周する夢も…叶わずして死ぬわけにはいかないでございます!がしゃどくろの能力発動!」


「何…!?」


「がしゃどくろの能力は…どくろの骨のごとく重力を無効化し、最低限の力で攻撃を最小限に抑える能力でございます…。これが妖怪さんとの絆でございます!覚悟なさい!水龍天翔大渦巻!」


「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


「はぁ…はぁ…!」


禁断の術の力をも越える妖怪さんとの絆パワーでサトリーヌを龍のような大渦に巻き込み、そのまま飲み込まれたサトリーヌはもはや虫の息でした。


念には念を入れるために残心を示し、私はいつでも戦闘できる体勢に入りました。


サトリーヌの第三の目は完全に閉じられ、動くことがほぼ不可能な状態になりました。


そしてサトリーヌは私の目を見て嬉しそうにこう囁きました。


「あなた…強いのね…。心をいくら読まれても…屈することなく立ち向かった…。たとえ自分が不利になっても…簡単に心を開かず…悪いように利用されない努力をした…。人間を見くびり…悪いところばかり見すぎて…いいところから目を背けた私の負けね…。」


「サトリーヌ…あなたが心を入れ替えられたのでございましたら…もう一度やり直すでございます。」


「それは無理ね…。私はもう…冥界に行かなければならなさそうよ…。もっと早く…パパより早く…あなたに会っていたら…私は今頃…どんな女になったのかしらね…。」


「おそらく…お慕い申しています殿方と恋に落ち、その殿方の心を読んでは何度もときめいたり、ご友人たちに愛されていることに気が付いて幸せを感じる事でございましょう。」


「そう…。じゃあ私は今度は…心が読めなくても…温かい心を感じられる生き物に生まれ変わりたいわね…。さぁここでお別れよ…紺野るり…。その扇で私の最期の命を…冥界に還してほしいの…。」


「心得ました…。あなたのその言葉が本心だと…信じます。」


「ええ…また会いましょう…。」


こうしてサトリーヌは私の扇によって身体を斬られ、浄化されるように朽ちていきました。


最期にサトリーヌに心を開かせたのは…強引に心を開かせる開心術なんかではなく心を通わせ、本心を語れるほど信頼させる心理的開心術というものでしょう。


サトリーヌが朽ち尽きると、鏡の世界が崩壊しはじめ、私は吸い込まれるように脱出できました。


「るり先輩!無事だったんですね!」


「ここは…戻れたのでございますね!」


「はい!るり先輩はあの魔性の女に勝ちました!」


「さすがるり先輩ね!先輩の心の強さ、見習わなきゃ!」


「はなさん…約束を守りましたでございます!」


「うん…本当によかった…!」


「サトリーヌ…あやつは心を閉ざしたり開かせたり読むことに長けていたが…まさか逆に心を開かせられるとは…。あやつにもう少し…癒しを与えればよかったのかもしれん…。あやつは器用すぎて…人間ごときの愛を知ってしまったか…。」


「アクドー…あなたが人間をそこまで恨む理由がわからないけど…あなたの理想の極楽浄土は私たちも同意できない!だからあなたの野望は私たち月光花が止めるよ!」


「おのれ…我が子を3人も葬っておいて…。我の身体がまだ慣れぬ故に罪魔の力を溜めこまねばならぬのが痛手だ…。まぁいい…たとえ我が子を全員失えど…我がその野望を直接叶えればよいのだ…。我の野望を止めるために立ち向かっても無駄だ…。我が子たちは万が一に備え…我がいつ襲われてもいいように我が子たちが全滅するまで解かれぬ結界を張ったのだ…。罪魔の力を溜めこみ…我が身体に慣れれば戦えるのだ…。出来れば早く…我が子たちをこれ以上犠牲にせぬよう…戦いたいのだがね…。」


「やっぱり子を想う気持ちは人間時代の名残なんですね…。」


「でも憎む理由は多分…」


「考察せんでもよい…。完全体になればすぐに話してやろう…。我が子たちにも伝えていない真実をな…。」


アクドーはまだ幹部たちには話していない人間を憎み恨み嫌う理由がありました。


人間時代の妻子に捨てられたにも関わらず幹部であるアクドーの子を可愛がるのは手塩にかけた故に仇としての憎悪すら感じました。


つばきさんやすみれさんはまだ苦戦しておりパワーを誇るオニゴロー、スピードに長けるドクロスケの強さに押されつつありました。


お二人のご無事を…祈っています。


つづく!

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