表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/122

第48話 東京での災難

~紅葉もみじside~


はな先輩が年始の神事から合流し、私たち月光花は全員揃うことが出来ました。


ところがその瞬間から東京は薄暗くて不吉な魔力を感じ、ザイマ一族とは違う力も感じました。


それでも私たち芸能人は首都圏で活動し、私は早朝の走り込みを始めました。


「では皆さん…行って参ります。」


誰よりも早く寝て早く起き、見つからないように日比谷公園で走ります。


この走り込みをしていると無心になり、余計な事を考えなくて済むので、ただ走る事に集中することが出来ます。


すると紅白歌合戦で見慣れた金髪で赤いリボンを付けた奴がいました。


「これはこれは、ごきげんよう。」


「ごきげんよう…一体何の用ですか?」


「まさか月光花のあなたまで自分を追い込むために走り込みしているだなんて、さすが紅葉流忍術の子ですわね。」


「嫌味を言いに来たのですか…?」


「いいえ…素直に羨ましいと思いましたわ。わたくしなんて…パパの権力がなければただの口だけの女ですもの…。」


「それはどういう意味ですか…?」


高飛車きららに遭遇しましたが、いつもの自信家で高飛車で人を見下した態度がなく、ただ目標のためにストイックに自分を高める努力家の目をしていました。


こう見るとあの紫吹ゆかりさんに似ているところがあると感じ、私は警戒しつつも心を開かせてみました。


すると高飛車きららは辺りを見渡した後、何か安心したかのように溜息をつき語り始めました。


「わたくしはパパの野望でトップになるために生まれ、わたくしはパパの言う通りに従ってトップを維持しましたの。何の努力もせずにただ従い、他人をパパの力で蹴落としてでしたわ。でも…小学校低学年のある日、わたくしは残念に思いまいしたの。わたくしより優秀で勉強が出来る幼なじみがいましたの。テストでわたくしを越え、悔しい思いをしましたわ。だからこそパパの力だけでなく自分の努力と力で越えてみせると誓いましたの。でも…パパはわたくし以外の人間を認めず、その子を弾圧して無理矢理ロシアへ転校させ、それから行方が分からなくなりましたわ。それを知ったわたくしはショックでしたわ。でも…もし逆らえば娘のわたくしでさえ弾圧されるかもしれないという恐怖で逆らえずにいましたわ。この自信家で口だけの高飛車な誰でも見下し自分が一番と思い込むのは…パパを欺くキャラ作りですのよ。ダメですわね…反抗期も迎えずに自分勝手になって。走りながら多く語ってごめんなさい。」


「そうでしたか…。父上は厳しかったのですか?」


「いいえ、むしろ過保護で甘やかされて育ちましたわ。他の人には厳しく、自分や家族にだけは優しいのですのよ。」


「という事は…あなたは本来は自分の力で努力して這い上がり、ストイックに追い込む努力家なのですね。でも何故芸能界にまでそんな事を…まさか…!」


「そのまさかですわ。エガオプロジェクトの買収で高飛車財閥が絡み、芸能界にも魔の手が出ましたの。そしてトップアイドルになるべくわたくしが選ばれ、今こうして活動していますわ。あなた方も表向きではわたくしに歯向かわない方がいいですわ。さもないと…わたくしでさえ逆らえないパパの弾圧がありますわ。」


彼女は父上にたくさん甘やかされ、過保護に育てられた分、もし反抗期を迎えたのなら娘であろうと平気で弾圧する残酷極まりない人柄を感じました。


同時に本来の性格を押し殺してまで父上に従い、ずっと他人を見下していた。


それ故に誰にも心から寄り添える人が不在で、今までずっと一人で抱え込んで悩んでいたのでしょう。


「そうでしたか…。あなたはやはり、変化を嫌う傾向がありますね。私にも似たようなライバルがいまして、古風で変化を嫌うというよりも対応が困難な方ですが、それでもちょっと古き伝統にこだわる傾向があります。」


「それって紫吹ゆかりの事ですの?」


「バレてしまいましたか。」


「その紫吹ゆかり…いいえ、アルコバレーノとその社長でプロデューサーの黒田純子さんが行方不明ですわ。」


「何ですって…!?」


「モノクロ団という人々の負の感情の魔力、マイナスエネルギーを集めて世界を絶望の黒に染める悪い奴らですわ。おそらくパパはそいつらに利用されているかもしれませんわ。わたくしにはプラスエネルギーがなく、アルコバレーノの皆さんに託すしかありませんでしたわ。」


「なるほど…東京どころか首都圏が薄暗くて悪い予感が起きそうだったのはそういう事でしたか…。」


「何と、他の組織がもうこの世界に手を出していたのだな。」


「誰ですの…?わたくしたちのトレーニングの邪魔をする者は…!」


「その声は…オロチマル!」


「覚えてくれたのだな、紅葉もみじ。(われ)が様子を見に行って以降、随分妖魔の力を上げてきたようだな。」


「そいつは何者ですの…?モノクロ団とは随分似て非なる者ですわね…!」


「彼はオロチマルといいます。かつて京都に災いをもたらしたザイマ一族の一員です…!」


「何ですって…!」


「人間共が集まる東京ならもっと罪魔の力を集められると思ったが…どうやらもうその必要がなさそうだな。だが…貴様とは一度戦ってみたかったのだ。どれほど成長し、我と対抗できるか知りたいのだ。」


「挑発のつもりですか?残念ですが、まだあなたと対等に戦えるほどの妖魔の力はございませんが?」


「ほう、やはり忍びの末裔は冷静だな。そして弱さを認めるとは随分勇敢だな。そこの小娘は自分の弱さを認めそうにないようだが…罪魔の力を解放してもらおうか。」


「弱さを認めないですって…?先程から黙って聞いていれば人間を随分見下していらっしゃるのね。あなたはわたくしを誰だと思っていますの?わたくしは…トップアイドルになるべく陰で努力するトップアイドル候補の高飛車きららですわ!あなたが言う罪魔の力が何なのかは知りませんが…あなたの言いなりになんかなりませんわ!」


「こやつ…口だけの自分勝手な子娘と思っていたが…。子娘、先程の発言は撤回しよう。だが…これならどうかな…!」


「きゃあっ!」


「きららさん!貴様…無関係の人を巻き込むなど…断じて許しません!闇に潜む黒き影よ…我に力を与えよ!妖魔変化!暁に舞い誇ることモミジのごとし!紅葉もみじ!よくもようやく心を開いた彼女を…成敗します!」


「いいぞ…復讐に燃えるその目…我をもっと喜ばせるのだ!」


オロチマルによる卑怯な戦術できららさんは巻き込まれ、そのままベンチにぶつかって気を失いました。


私は奴の挑発に乗ってしまい、妖魔使いに変身して刀を構え、戦闘体勢に入りました。


戦闘力も魔力も向こうが上ですが…私は決して負けたくないと心から燃えました。


つづく!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ