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第36話 一日消防

~紺野るりside~


私は今、下京区消防署で一日消防署長を務めます。


消防署の制服に着替え、一日防災のために下京区の街をパレードします。


街の皆さんは私に手を振り、とても明るい雰囲気で迎え入れてくださりました。


そして今は…消防署で一日署長任命式をしています。


「汝、紺野るりは下京区消防署の一日署長に任命致します。下京区消防署長、日野奨成(ひのしょうせい)


「ありがとうございます。一日署長を任されたでございます。」


「すごい美人さんだ…!」


「お淑やかで大和撫子って感じだな…!」


「お前確か平安館学院出身だろ?」


「はい、確かミス平安館を中等部、高等部、大学ごとに選抜し、それぞれ一番人気を文化祭で投票をするんです。確か去年の高等部のミス平安館は紺野るりちゃんでした。」


「なるほどなぁ…どおりで美しいわけだ!」


「皆さま、今日(こんにち)も一日、防災訓練致しましょう。」


「はい!」


こうして私は隊員の皆さんとご一緒に防災訓練し、マンションの火災を想定した救命や火消し、さらに災害が遭った時の為の土壌を運ぶ訓練などを致しました。


消防隊員の皆さんは毎日、万が一に備えて災害に備え、人々の命を助けていたのでしょう。


次の私の仕事は消防車でパトロールをし、街の今の様子を伺いました。


「それにしてもるりちゃんはご立派だなぁ。アイドルやりながら一日消防署長を務めるなんてね。」


「この街に過ごしてもらっている以上、毎日の日常を知る事は重要でございます。そして街の平和を守ってくださる警察や消防士、そして自衛隊の皆さまのおかげで、この日本や京都は平和を保ってきたでございます。ですから皆さまには日々感謝しているでございます。」


「そう言われると消防士をやってきた甲斐があるってもんよ。」


「そうだな兄さん。」


「おや?お二人はご兄弟でございますか?」


「うん、俺は達川流(たつかわながれ)。消火隊長さ。そして運転しているのは兄の…」


達川纏(たつかわまとい)だ。救助隊長を務めている。流の弟の翔は中京区の航空隊隊長で、さらに弟の大紋(だいもん)は京都府警察隊員、そして末っ子の茉里(まつり)は上京区消防署の救急救命士だ。」


「皆さまご兄妹で防災一家なのでございますね。とても素晴らしい家系でございます。」


「別に誇れる事ではないさ。街のみんなが平和に笑顔で暮らせる事が一番のやりがいってモンさ。そう言えば最近神話に出てくるザイマ一族の襲来があったんだろ?るりちゃんはよく無事だったね。」


「それは…」


「あの不思議な女の子たちのおかげで街の人は無傷だけどよ、俺たちが何も出来ないのは痛いよなぁ。だから今度こそは人々を助けないとな。」


「達川さん…皆さまならきっと人々を助けられるでございます。現に今までもこれからもずっと人々の命を救ってくださったではございませんか。私はそんな皆さまの尽力で平和に過ごしていると誇りに思います。」


「るりちゃん…そうだね。俺たちだってやれるって思わないと助けられないもんね!」


「よっしゃ!このパトロールが終わったらるりちゃんでも厳しい訓練するぞ!」


「おいおい兄さん…あんまアイドルをいじめるなよ?」


「うふふ、これでも体力には自信あるのでございます。ザイマとの戦いで鍛えてますから…。」


「ん?何か言ったかい?」


「いいえ、何でもございません。それでは訓練頑張りましょう。」


~下京区消防署前~


「うふふ、さて…人間共は何を思っているのかしらねぇ。」


(ぐふふ…あの姉ちゃんいいお尻しているなぁ…。)


(これで三つ目だ…。へへ、いい金目のモノ持ってる家多いぜ。)


(あいつマジでジャマってゆーか~、キモすぎてウザいんだケド~。)


「あらあら…どいつもこいつも醜い心なのね。一番醜い心は誰かしら…?」


(私の言う事を聞かないから人間たちは救われないんだ…。まったくバカで愚かな連中だね…。さてと…どうやって天罰を与えようか…。)


「へぇ…善意と見せかけた罪魔を感じるわねぇ。正義感を持っている人ほど悪意に満ちた心はないわ。それじゃあ…あなたたちの正義感と偽善に溢れたその罪魔を解き放ち…獄魔として生まれ変わって人間たちを滅ぼしなさい。」


「うっ…うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


~下京消防署に到着~


「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


「何だ!?何が起こったんだ!?」


「わからない…とりあえず消防車と救急車を派遣しよう!」


「るりちゃんは安全なところにいてくれ!」


「この獄魔の気配…まさか…!」


「おいるりちゃん!どこに行くんだよ!」


「皆さまは人々の安全を確保してください!私はあの原因を突き止めるでございます!」


「あいつ…!」


「兄さん、もし不思議な女の子の正体があの子なら…」


「あり得るな…よし、決めた!まずは人々の安全を確保し、あの子の様子を見に行く!お前も付き合え!」


「もちろんだ!俺もあの子を放っておけないからね!」


「よっしゃ!それでこそ達川家の血だ!それじゃあいくぞ!」


私は消防服のままどこに獄魔が潜んでいるか気配で探り、その原因となった場所を回りました。


すると消防署から北に1km離れた場所に獄魔が発生し、そこには胸に穴を開けて倒れていた人々がいました。


私は懐から篠笛を取り出し、変身するために怪しく演奏します。


「闇に潜む黒き影よ…我に力を与えよ!妖魔変化!雨水に咲き誇ることルリソウのごとく!紺野るり!皆さん…これはどういう事でしょうか…?」


「カネメノモノ…テンバイシテ…ボロモウケ…!」


「アノクソオヤジ…マジキモイ…!」


「オシリ…オンナノコノオシリ…ゲヘへへ…!」


「うっ…!皆さんこんなに内なる欲望を持っていたのでございますね…!」


獄魔の皆さんのあまりの欲望に悪寒がし、私はその悪寒で身震いしました。


同時に皆さんの事を哀れに思い、今すぐに浄化して反省してもらわねばと思いました。


両手に扇を持って舞いながら戦い、風起こしや川の流れのような動きで翻弄し、獄魔たちを浄化しました。


ところが…噂に聞きました大獄魔だけは仁王立ちしていて、今までの戦い方では勝てないとすぐに悟りました。


「キュウサイ…ニンゲンヲキュウサイシナケレバ…!セカイガホロブ…ワタシヲオガメ…!」


「これは…救済を利用したビジネスでございましょうか…?」


「ミンナフコウニミエル…ワタシガスクワナケレバ…ミンナガフコウニ…!スクワレルキガナイナラ…テンバツヲアタエル…!」


「善意や正義感に溺れ、悪に染まった心でございますね…!しかし今の私の妖魔の力では…とてもではございませんが、対抗しきれないでございます…!」


「待って!あなたを助けに来たわ!」


「あなたは…!」


今日の一日消防署長の就任式で聞き覚えのある女性の声が聞こえ、私はその方向へと振り向きました。


防火服を着た女性は突然何かの姿に変わり、私はサポート妖怪だとすぐにわかりました。


ですが…あの方は一体…?


つづく!

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