第119話 日本文化
月光花の世界ツアーはヨーロッパでもかなりの人気と話題を呼びロンドンでのライブではゲストサポートバンドにスコットランドでも有名なEDINBURGHが出演する。
ロンドンでのライブは成功し次は西暦時代から日本文化に強い刺激を受けていたフランスのパリへ向かう。
西欧でも重要な国際都市で昔から変わらない美し街並みが並んでいた。
「うわぁ~…これが花の都のパリ…。」
「本当にパリは美しい街だな。」
「フランス革命の舞台にもなってここでたくさんの命が犠牲になって今のフランスがあるのよね。」
「それでかつての王家が使っていた城の跡地が多く残っているんだね。」
「さぁ皆の衆、そろそろルーブル美術館の観光に参るぞ。今日は特別に月光花ツアー訪問記念に日本美術展が行われているのだ。」
「それ気になる!」
「私も昔の人間の文化が気になってたんだ。パパは西暦の終わりだから実物を見るのははじめてなんだ。」
「ヒメギクさんは人間の美術を見るのははじめてなのでございますね。」
「はい。こうしてみんなと観光を楽しむことが出来て感謝します。」
「はなやもみじもだが、ヒメギクも少々私たちに堅苦しいな。もう少しリラックスして接してもいいんだぞ。」
「まぁひまわりはリラックスしすぎだけどね。」
「わかばぁ!それ言わないでよ!」
「ふふふっ。」
こうして私たち一行はルーブル美術館に赴き、フランス政府のおもてなしにより案内される。
入場料は高かったけれどそれほど貴重な美術展が多くあるという事になる。
その中でも葛飾北斎や歌川広重、岡本太郎など西暦時代の日本で有名な美術家が多く飾られていた。
中でも日本の文化を彩ったと言われている漫画というものの展示があり、その漫画の神様と呼ばれていた手塚治虫の作品が飾られていた。
その原稿をガラス越しに見た時は当時の人気が一目でわかるほどの厳重な管理で施されていていた。
さらにシャンゼリゼ通りで花柳さん夫妻はフランスのワインを堪能し、私たち未成年はフレンチ料理を美味しくいただいた。
観光を終えてからはレッスンとリハーサルに励み、ライブ当日はフランス人の熱狂ぷりに翌日にはフランスのマスコミによってフランス革命以降の熱さとなったとまで報道された。
続いてロシアのモスクワでは冬将軍が襲うもロシア政府とロシア軍によって厳重に寒さから守られ、トルコのイスタンブールではトルコ政府からトルコ料理をおもてなしされる。
ドバイやデリー、ムンバイやバンコク、ジャカルタでは暑さこそ夏と比べて控えめなものの温暖すぎる気候に慣れていないためかはなとわかばは水を多く飲むなどして大変だった。
そして最もこのツアーを楽しみにしていた国が…
「月光花だ!」
「台湾へようこそ!」
「あなた方日本人を歓迎します!」
「台湾を楽しんでいってね!」
「すごいね…こんなに私たちを楽しみにしていたなんて…。」
「あのすみちゃんれが驚いているなんて…。」
「台湾はツアーでも最後の方ですからね。ずっと待っていたのも無理はありませんよ。」
「ねぇねぇ!台湾名物のタピオカでも飲もう!」
「賛成でございます♪」
一時期日本でもブームになった本場のタピオカを飲んでのどを潤し、プニプニのタピオカを口にしてとろける美味しさにひまわりは満足そうだった。
さらにお腹を満たすために中華料理店で昼食を食べてリハーサルを行った。
今頃平安館では最後の3学期が行われているだろうけど、世界ツアーで平安館を宣伝してほしいと理事長のお願いで特別に海外研修という形で休みを許された。
それでも私含めみんなは学力を疎かにしないようにオンラインで授業を受けている。
平安館は文武両道で日本男児や大和撫子、武士道精神の育成を理念にしているので学力は厳しいけれど、袴制服を着たいがために頑張る人もいる。
台北でのライブも成功し、残るは香港と上海、ソウルそして最後の大坂になる。
大阪でのファイナルにみんなに重大な話をするけど、みんなは受け入れてくれるのかな…?
つづく!