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第101話 最後の力

ホロビノミコが本気を出しはじめ、自分の城を崩すほど巨大化した。


大坂城と同じサイズなので今の私たちでは太刀打ちできず、小さい姿ではどうしても敵わなかった。


撤退も考えたけれど、今ここで逃げたらホロビノミコが京都を破壊しかねないと判断してそのままの姿で立ち向かった。


でも…


「ダメだ…私たちの攻撃が通用しない…!」


「大きすぎて私たちでは蟻のように感じるんだね…。」


「このままでは…京都だけでなく六道界や妖魔界も守れない…!」


「恐れるな!まだ吾輩がついておる!」


「その声は…!」


「琵琶湖を作ったと言われている伝説の妖怪…」


「ダイダラボッチだ!」


「吾輩の人間としての名は代田良(だいだりょう)だ!この罪魔の力を感じて琵琶湖から駆けつけてきたのだ!吾輩の能力で巨大な化身を生み出すのだ!そしてあのホロビノミコを討伐し、日本を救うのだ!それに…七人将さまがお前たちに化身のための装備を与えた!妖魔化身召喚をするために篠笛を吹くがよい!」


「ありがとうございます…代田良さん!七人将の皆さんもありがとうございます!それじゃあいくよ!」


「うん!」


「妖魔化身…召喚!」


妖魔界でも伝説的存在のダイダラボッチこと代田さんの協力によって巨大な化身を篠笛で召喚し、動きやすそうだけど固い防御力を誇る鎧と兜などの甲冑も装備された。


サイズはホロビノミコよりも一回り小さいけれど、それでも威力としては通用するほどだった。


「これなら…戦えるでございます!」


「ホロビノミコ!貴様の好きにはさせないぞ!」


「お前を倒して…平和な世界を取り戻す!」


「そして…平安館を返してもらうよ!」


「いくら巨大化したところで私には敵いませんよ…。今の私はどんな人間でも制裁を下せます…。覚悟なさい…。」


「覚悟はもうできているよ!これでも喰らえ!はぁぁぁぁぁぁぁっ!」


「ひまわりちゃん!」


「この程度ですか…?ぬうぅんっ!!」


「うっ…!」


「ひまわり先輩!大丈夫ですか!?」


「生身で受けたわけじゃないのに…痛い…。」


「どうやら化身は私たちと一心同体の様ね…。」


「それにあの刀はもはや野太刀を超えていますね…。」


「鎧がなかったら息が出来なかったかも…。」


ホロビノミコはひまわりちゃんの化身の槍を簡単に弾き返し、あわや懐に入られて刺されるところだった。


ひまわりちゃんの槍は残念ながら伸び縮み出来ないので置き盾を突破した長槍にはならなかった。


和弓や火縄銃では動体視力でかわされることは間違いなかったので私はある案が浮かぶ。


「すみれちゃんの杖で突破できないかな…?」


「確かにリーチはあるけれど、伸び縮みするかどうかはわからないんだ。」


「でも試してみる価値はあると思うでございます。」


「ひまわりも試してみたらどうだ?今まで閉所ばかりで試してなかっただろう。」


「やってみる…!つばきも一応やってみよう!」


「わかった。ヒメギク、奴の足場を崩す事は出来るか?」


「出来ます。むしろ…チャンスがあるならやらせてください。」


「頼りにしているぞ、妖魔大王さま。」


「ありがとうございます。ホロビノミコ!これでも喰らえ!」


「同じ手は喰いませんよ…!」


「飛んだ!?」


「やっぱり翼は飾りではないようですね。」


「同じことをするとは芸がないですね…。それとも血迷いましたか…?」


「ううん、残念だけど私は囮…。だから…」


「杖よ…伸びろ!」


「何…うぐっ!」


「日本の槍は槍は長いほど扱いづらくてしなりやすい…ならばこれでどうだ!やぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


「うぐっ…!」


「いざ!真・吹雪氷晶斬!」


「くっ…!」


「やったか…?」


「この程度でやられる私だと思いましたか…?」


「やっぱり簡単にはいかないわね…!」


ひまわりちゃんたちの長いリーチを取った攻撃は通ったけれど、大したダメージにはならなかった。


さっきまでは甲冑じゃなかったから攻撃が通じたけれど、今回はお互いにフル装備で守りも堅かった。


おそらく銃や弓矢でも貫通するかどうかだった。


「こんどはこちらからいきますよ…?重罪ノ極刑(じゅうざいのきょっけい)!」


「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


大きな野太刀がギロチンのように刃が上から振り下ろされ、私たちは化身ごと全身に大きな切り傷を負った。


体中から流血されあまりの痛みに立てるかどうかギリギリだった。


このまま私たちは負けてしまうのか…そう思った瞬間だった。


「愛する私たちの子孫たち…私たちが力を与えましょう。元々私たちは人間界で一生を終え、妖魔大王さまの情けによって生かされた存在です。そして今は先代妖魔大王さまはいない…それ故に私たちの命ももう短く、その与えられた命を終え輪廻の世界を回る時が来ました。秋道佐助、村雨武蔵、雪代弁慶、森本龍馬、河村古町、日野信長…そして私、花柳陽美子の最後の力を受け取りなさい。あなた方の妖魔の力は私たちの妖魔の力を超えています。この力を今、最後の力として使いなさい。私たちの魂は輪廻の世界を旅し、六道界のいずれかに生まれ変わります。どうかご武運を…。」


「何でしょう…この漲る力は一体…?」


「今なら何でもやれそうな気がするよ…。」


「これならホロビノミコと戦える…。」


「いこう…私たちの平和のために…。」


「うん!日ノ本を護る妖魔使い!月光花!」


「いざ参る!」


すると私たちの胸に七人将さんの体が憑依し、魂は天に昇ってどこかへ消え輪廻転生していった。


同時に私たちの背中の化身が一カ所に集まって合体した。


そしてついにホロビノミコと同じサイズの甲冑姿の大きな甲冑姿の侍へと姿を変えた。


つづく!

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