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第99話 みんなを信じる

~藤野すみれside~


「さぁ私を崇めるがよい!私は人間を超越した神なのだ!神の裁きをここで受けよ!」


「君は教科書にも載っていた尾上宗京(おがみしゅうきょう)…テロリスト宗教団体の名を借りた悪魔としての名はオガメサイアだったね。悪いけど君を崇拝する気はないよ。残念だけど自分を神だと思って他人を下に見るのは不愉快なのでね。」


「そうか、神に逆らうのか!ならば貴様はここで死ぬがいい!神に裁かれる事をありがたいと思うのだ!ふんっ!」


「おっと!これは予想外のパワーだね…。私じゃなかったら潰されていたよ…。」


「ふはははは!どうだ神の力は!貴様のような脆弱な人間では到底私には敵わない!」


「かもね…普通だったらね…。私は生憎普通という概念にとらわれず、個性に生きているからね。君にはお仕置きが必要みたいだ。」


「戯言を…貴様はここで終わるのだ!死ねぇい!」


「力に溺れた人間ほど心が弱い者はない…。傲慢とは力を誤った使い方をして強いと勘違いすることから起こる事なんだ。自分の考えが正義だと思い込むのと同じだね…。哀れな君にこれをプレゼントしよう!真・神風ノ豪雨(かみかぜのごうう)!」


「ぬわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


こうして傲慢のオガメサイアは自分を過信し過ぎたが故に私の渾身の攻撃に殴打され、自分がいかに無力だったかを思い知って魂ごと消え去った。


~冬野つばきside~


「随分と久しぶりだな…妖魔使いよ。我が復活して青ざめただろう。」


「ああ…随分と驚いたぞ…。また貴様と戦える時が来るなんてな…。」


「あの時の恨みと憎しみをここで晴らしてやる…。我を怒らせたその罪をここで味わうがいい!」


「ふっ…!」


「何だと…!」


「生憎だが今の貴様のように憤怒に溢れ理性を失った状態では…今の私に攻撃は当たらないぞ。前みたいに余裕のある態度はどこにいったのだ?」


「ふざけたことを…我に屈辱を味合わせた怒りをここで喰らえ!」


「ふぅ…いつまで過去にこだわり、そして私たちに負けたことを引きずって怒り狂うのだ。貴様にはもう一度怒りを鎮めるために正妻を下す必要があるようだな。いざ…この一撃を喰らうがいい!真・吹雪氷晶斬(ふぶきひょうしょうざん)!」


「ぐおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」


久しぶりの再会を果たした憤怒のアクドーは私にかすり傷も与えられず、怒り狂いながらも自分の愚かさを嘆きながら魂ごと消えていった。


~常盤わかばside~


「妬ましい…!私より成功するあいつらが憎い…!私の邪魔をする優秀な奴らは粛清あるのみ!」


「うわぁ…昭和時代のある独裁者みたいな劣等感ね…!根田見烈人(ねたみれつと)は想像以上の嫉妬深さなのね…!」


「黙れ!その名を呼ぶな!今の私の名はジェラスィだ!お前のような冷静なやつをみるとムカムカするんだよ!その冷めた顔を本当に冷たくしてやる!」


「きゃっ!!ちょっと!いきなり何をするのよ!」


「うるさいうるさいうるさい!」


「とんでもないヒステリックね…。相当誰かに比較され続けたのね…。仕方ないわね…ちょっとおとなしくしてもらおうかしら!」


「何!?」


「芥川龍之介さんの作品の蜘蛛の糸から得た弾丸よ。これでもう動けないわね。もう比較しすぎて自分を卑下して妬むのはやめて、今度は自分に投資出来るほど誇らしい自分になりなさい!真・常盤ノ旋風弾(ときわのせんぷうだん)!」


「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


誰かに比べられ続けた結果、自分に劣等感を抱いて認められて欲しいが故に暴君と化した嫉妬深いジェラスィは私の弾丸に被弾して頭を痛めながら魂ごと消えていった。


~紺野るりside~


「可愛いお嬢さん、私が気持ちのいい事をしてあげるわよ?」


「遠慮するでございます…。まさかセクシーナこと江呂静代(えろせいよ)が実在していただなんて…。」


「身体は正直なのは私が一番知っているのよ。このまま快楽を求めて堕落しましょう?」


「あなたは未成年にそんなお誘いをして恥ずかしくないのでございますか?」


「恥ずかしい?そんなものは感じないわ。肉体的快楽があれば恥じる事はないもの。男なんて快楽を求める生き物なのよ。堕落させて何が悪いの?」


「堕落する側にも責任はございますが…元を正せば堕落させる側に責任はございます。肉体的快楽だけで愛は育まれませんし、精神的快楽でも一方的だなんて私は認めないでございます!それは自分さえよければ相手を不幸にしてでも快楽を得るのと同じでございます!」


「この子…もうわかりあえなさそうね…。ならば強引に女として教育してあげるわよ!」


「いいえ!結構でございます!あなたのような性に軽薄な思考では!誰もあなたの人格を見てくれないでございます!誰かを傷つけてでも得た快楽など…いずれ罰が当たるのでございますよ!」


「じゃあ目先の快楽を与えてあげるわ!そのまま寝なさい!」


「仕方ありません…。残念でございますが…あなたには不幸を味わってもらうでございます!真・清水川流ノ(きよみずせんりゅうのまい)!」


「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


唯一の女悪魔で自分だけの快楽に溺れただけでなく他人をも溺れさせて中毒や依存症を与えたセクシーナは、偽りの快楽にもがき苦しみながら魂ごと消えていきました。


~ホロビノミコ前~


「やはりあの悪魔どもを強引に現世に転生させたのは時間稼ぎにもならなかったですね…。魂が完全に生贄になられたが故に肉体的に弱体化してしまわれたのでしょう。」


「あなた…自分のせいで人間から悪魔となり、自分のために生贄になった者の魂を(もてあそ)んだね…!」


「はい?人間は悪事のために利用し極楽浄土を創りだすために存在するのに何故人間を大罪から解放させようとするのですか?」


「ホロビノミコ…誰も七つの大罪から解放するとは言ってないよ…?確かに人間は大きな罪を今後も背負うことになると思う。それは妖魔大王の私でも否定しない。でも…好き勝手に自分中心で生きる事で人間はもう立ち直ることが出来ないくらい堕落してしまうの!あなたが目指す極楽浄土は…人間の罪を利用して無法地帯を作る事なんだね…?ならこれ以上罪を重ねないためにも人間たちには責任を持って明るく他のものを思いやれる真っ直ぐな世界にする…ここのみんなと!」


「ならばそれを証明してみなさい。私を倒せばその様な世界が望めるでしょう。もっとも…そんなご都合主義は通用しませんがね…。」


「刀…!」


「それも何て邪悪な罪魔の力でございましょう…!」


「斬られる前に攻撃あるのみです!」


「待って!もみじ!」


「ふっふっふ…飛んで火にいる夏の虫とはこの事です。喰らいなさい!最期の天誅!」


「きゃあぁぁぁぁぁぁっ!」


「もみじちゃんっ!!」


もみじちゃんが特攻を仕掛けた瞬間、ホロビノミコは刀を三日月の形に沿って描きだし、そして心を打ち砕くように大きくもみじちゃんに一瞬で斬りかかった。


もみじちゃんは胸を大きく斬りつけられ、大きなダメージを負って倒れ込んだ。


あの罪魔の力に…私たちの妖魔の力で対抗できるのかな…。


つづく!

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