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ちょっとした持論  作者: 眠気に負ける人
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無敵主人公は何故嫌われるのか

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

無敵主人公。俗にいう、俺TUEEEEEEE系主人公ですが、この手の主人公は現在では煙たがられる対象となっています。それが、一体なぜなのか。それについて、持論を述べていきます。


一つにあるのは、その言動や精神性ではないでしょうか。異世界に転生する主人公の中には「何故人間が生きているのか」等と訳の分からない事を考えている人物や、自称平凡が多く存在します。その多くが、『落ちこぼれ』『ブラック企業勤務』『オタク』『平凡』のワードを含んでいます。


そして、こういった人物は突然世界を救うために召喚されたり、神の手違いで死んでしまい転生します。ここで、一つ。神は一々、手違いで殺したら転生特典を与えて異世界へ転生させるのでしょうか。それは、膨大な手間がかかるのではないでしょうか。まぁ、神が「手違いで殺して云々」って言わない限りバレないんですが。そう、考えると本当に不思議なものですね。主人公だけしか転生しておらず、コレと言った障害が無い異世界。神だって間違えると台詞回しで見ますが、だとしたら40人位は異世界に地球出身者が居ても可笑しくないと思います。


こうして異世界へ転生or召喚される主人公はその場に直ぐに順応します。しかし、内心ではこの世界の事を見下しているのが見受けられます。「地球より文明は低い」「中世程度」と発言、思考の節々に見受けられるのです。本人には見下しているつもりは無いのでしょうが、その考え方はヨーロッパ諸国が植民地支配を行った時の「未発達な文明」「文明を知らない野蛮な民族」と言った考え方と同じです。これは、心の奥底に「自分は彼らとは別な特別な存在だ」という意識があるのではないでしょうか。


この様に、徐々に異世界になじみ始めた主人公たちの登竜門。要はテンプレですが、山賊退治や人型の魔物退治です。これらは、主人公によって呆気なく終わり。これにより、主人公は自身が他の人間よりはるかに優れている事を自覚するのです。私はここにまったをかけたい。まず、前提となりますが彼らは元は地球(・・)日本に生まれた(・・・・・・・)一般人(・・・)です。断じてアフリカや南アメリカ、紛争地帯で生まれた子供ではありません。他人に刃物は向けてはいけない。他人に暴力は振るってはいけない。そう教えて来られた、ただの一般人です。それが、異世界に来て突然人を殺すことが出来るようになるのでしょうか。


偶然手に入れた力に酔いしれ、人を殺す事に何の罪悪感も感じなくなってしまったのでしょうか。それは、それは、とてもあり得る話ではあります。突然他者を圧倒出来る様な力を得れば、その非現実さ故にゲーム感覚になるのかもしれません。しかし、そこに居るのは本物。実際に生きている命です。戦争も何も経験していない日本の一般人が簡単に人を殺す。それは、とても異常な事です。


また、この手の主人公には天然系がいます。しかし、それは実際天然と言うよりただの嫌味であり、自分が出来るから周りも出来るといったパワハラ強要です。そして、転生系に多い特徴として年齢マウントも上げることが出来ます。精神年齢では~という文は多く見受けられ、これも嫌われる原因の一因ではないでしょうか。


殺人に対しての忌避感、嫌悪感を持たず寧ろ嬉々として戦い。魔法の詠唱を中二臭いからと拒否し、年齢マウントをとる。地球の常識を異世界に持ち込み、相手に「狂っている!」と言う。自分ではそんなつもりはないと言いつつそう取られても文句の言えない行動をする。そんな人物に好感を持てる人物はそうそう居ないでしょう。


なにより、この手の主人公は努力したと言いつつ、大体が一か月ほど練習しましたといったものが多いです。そして、ソレに対して長年修行していた人物が敗れる。それは、少しおかしいと考えます。確かに、天性の才能だとか、センスだとかが関係する可能性は大きくあります。しかし、経験だけで言えば、確実に何年も修行した方が高い筈です。カタログスペックがいくら高かろうと、マスクステータスが低ければ格下にも負ける。それは、ゲームでも同じなのではないでしょうか。これは、作者の方々がターン性ゲームしかしていない。もしくは、そこまで複雑ではないゲームの経験をもとにしているからなのかもしれません。


他者を圧倒し、ハーレムを作る。ある意味、男の夢ではあります。しかし、自分は本意ではない。自分は目立ちたくない。そう言いつつ派手な事をして目立ち、仕方ないなぁ…とする『やれやれ』系や、俺中二病じゃない、俺は常識人、俺は正義、と言った『マジモンのヤベー奴』系と種類は多岐にわたり、異世界系の小説が増えれば増える程、無双系主人公は動画のネタや蔑称が増えていきました。最近では、某ソシャゲ―の主人公を中心としたアニメでも主人公を『イキり鯖太郎』と蔑称で呼ぶことがあるように、無敵系や他力本願で偉そうに物を言う人間は嫌われる傾向が強いのです。


ここまで、マイナスな部分を多く書いてきましたが、この無双系主人公は改善点があります。この手の主人公は神様から手に入れた力をさも最初から自分が手に入れた力の様に言います。そこを、『借り物の力』や『偶然手に入った力』と考える事や『力を持つのにふさわしくならなければならない』とすることで、向上系主人公にすることで少しはアンチも緩和されることと思います。


また、転生系・召喚系両方である殺人への忌避感は『転生の際に殺人への忌避感を奪われた』や『その場では平然を装ったが、誰にも見られない場所で殺人の恐怖に怯えてた』等とすることで、日本人であることが分かります。殺人への忌避感が存在しない様な人間なら態々日本人である必要性は無いです。また、異世界に地球の常識、法律を出すのは完全な悪てな為出すことはお勧めしません。出すにしても、同じように異世界に召喚又は転生させられたが、未だに現実に向き合いきれずにいる人物として誰かを登場させる際にその人物の言動の中に地球での法律やら倫理観を入れれば良いのではないでしょうか。そして、ソレを聞いて改めて自分が異世界に居る事、地球には戻れないであろう事を実感させればいいのではないでしょうか。


ここで、既に遅いですが何故異世界に地球の法律や倫理観を持ちだしてはいけないかと言うと。まず、大体の異世界と地球では命の価値観や殺しへの忌避感、一夫多妻への忌避感は薄く、命の単価も安いです。言ってしまえば、日本の様な当たり前に明日が来る何てことが無いのが異世界と言う訳ですが、そこに地球の価値観を持ちだすと、一夫一妻にすべき、命は尊いもの失うなんてもってのほか、殺しは悪い事であり行ってはいけない、正当防衛はありだが過剰防衛はダメ、と異世界での動きは大きく制限されます。これはもはや縛りでは無くマゾの領域です。野盗に襲われても抵抗しても良いけど、抵抗の末殺しはダメ。いつ死ぬか分からないけど、家は存続させたい、けど妻は一人だけ。命は尊いものだし、争いなんて駄目だ。戦争反対!どれも、現代倫理では正論であり反論はしずらいのは確かですが、それを異世界に当て嵌めましょう。無理です。無謀です。国家間で戦争はあるでしょう。国際機関なんて存在しません。抵抗しなければすぐ死にます。病気でも死にます。魔法があっても、万能ではないのです。


現代は昔に比べ優れています。それを過去に持っていけば優位になるのは確実でしょう。しかし、進歩が早ければ早い程周囲は追い付けませんし、利権を狙い政戦が起こる事は確実です。そこまで深く考える必要はないと言っても、現状深く考えずに無双系主人公を作り出しずぎた結果、訳の分からない事を言い始める主人公が増えたのです。自分で矛盾を生み出しておいて、平気な顔している主人公より設定を凝らし、矛盾を出来るだけなくし、主人公の言動にも信ぴょう性を持たせる方が人気が出るのではないでしょうか。


今回も3000字でした。実を言うと、これともう二つ並行して書いていた為にかなりの散文が見受けられます。「ここが可笑しい!」と言った指摘も受け付けています。


次回は異世界モノで私が最も疑問を抱く「貴族への接し方・貴族とは」です。ついでに、特権階級への持論も書いておきますね。

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