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ちょっとした持論  作者: 眠気に負ける人
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なろう系乙女ゲームを別視点で見てみる

今回は、乙女ゲームに対しての独自解釈。別の視点から見た考えです。

主人公が成り上がる。悪役令嬢を打ち倒し、王子様とゴールイン。本当にそれは、ハッピーエンドでしょうか?


編集:よくよく考えてみれば,私は乙女ゲーを殆どやったことないので,主に当サイトで多い『乙女ゲーム』が使われているタイトルから考えています。

乙女ゲームとは、冴えない主人公がある日突然力に目覚め、それを貴族に見初められて養子入りして貴族の学校に行くところから始まるものが多いですよね。そして、そのほとんどの養子にした家は男爵や子爵。言い方は悪いですが、簡単に潰される弱小貴族です。そんなところの、養子にされ学校で必要な知識を学ばされ、やがて他貴族との繋がりの為の道具となる。平民で居る方が寧ろ幸せではないかと考えますが、乙女ゲームに限ってはその道からは外れます。


そこで、出会った国の重鎮たちの子息を恋に落とし幸せをつかみます。婚約者が居るキャラも居ますが、そんなのお構いなしに対象キャラを攻略します。この時、相手婚約者は悪役であると相場が決まっていますが、本当にそうでしょうか。それは、主人公から見た偏った視点だからこそ悪役(・・)だと思ってしまうのではないでしょうか。


では、婚約者である悪役(仮定)令嬢からの目線で考えてみましょう。家通しの繋がりや取り決めによって選ばれた婚約者。そこに、自身の意思なんてものは存在しません。貴族として生まれからには、婚約し嫁に行くのは当然のことです。いくら、相手が嫌いな人物でも自らの家名に傷をつけない為には婚約せざる負えないのです。また、令嬢本人も相手を慕ってはいるものの、好意そのものが空回りしている場合もあります。

水面下では平穏な日々が続き、このまま卒業すれば結婚し、家の更なる繁栄に貢献できます。そんな所に、平民出の弱小貴族令嬢(主人公)が自身の婚約者と仲良くしているとのうわさを耳にします。(もしくは、目撃かもしれませんが)これでは、婚約者が自身との婚約中に他の令嬢と不倫していたと噂されかねません。もしくは、既にされているかもしれません。それは、自分の顔にも家名にも泥を塗る行為。どうにかして、婚約者と主人公を引きはがそうとあの手この手で陥れます。そこには、自分は嫌な相手でも文句も言わずに婚約しているのにヘラヘラとしている主人公に対しての妬みがあるのかもしれません。もしくは、自分でも見た事のない顔をしている事への嫉妬かもしれません。

何方にしろ、家通しの取り決めで決まった婚約者。自身の感情はどうあれ、それは絶対です。貴族としてのプライドもあり、自分が主人公という田舎貴族に負けたというのは悔しくてたまりません。だから、嫌がらせはドンドンエスカレートしていきます。しかし、それは自身の婚約者や周りいる子息たちや主人公によって悉く失敗に終わり、ついには自身の破滅まで秒読みとなりました。

家の為に始まった妨害行為は、自身を疎んでいた婚約者によってすべて無に帰し、主人公に婚約者を奪われた汚名やこれまでの行為によって国外追放を言い渡されたり、処刑や無残な最期を迎える事になります。


彼女たちは、本当に悪なのでしょうか。婚約関係にあったところに横恋慕した主人公こそが本当の悪なのではないでしょうか。貴族は、贅沢な暮らしが出来る代わりにそれ相応の責務があります「ノブレス・オブリージュ」意味は「高貴さは義務を強制する」王子と婚約する公爵令嬢たちにもソレは当てはまります。どれだけ高飛車な発言が癪に触っても、それだけ家の家格が高くその分責任が重いのです。


「好きでもない相手と婚約するのはおかしい!」そう発言する主人公も居ますが、貴族の世界ではそれは当たり前で。むしろ、好きあった相手通しで婚約、結婚する方が珍しいのです。家通しの取り決めや、王家と公爵家の繋がりの強化の為に婚約は必須な手段なのです。これは、日本で言う幕府と朝廷の関係に該当します。それをおかしいと断ずるのは、それは庶民の感覚だからなのです。中産階級に当てはまる商人でも商人通しの繋がり強化に婚約は行います。


見方によっては、主人公によって婚約者を寝取られた令嬢に残された道は破滅だけです。そして、見事に破滅してそれをみて我々プレイヤーは「ざまぁ」と思ったり「因果応報だ」と感じるのです。主人公に感情移入していれば、その反応は正しいのでしょう。その後彼女たちは幸せに暮らしました。めでたしめでたし。ゲームではそれで終了です。だからこそ、その後を考える事はありません。


では、私の解釈を元にその後を考えてみましょう。まず、王家は頭を抱えます。ぽっと出の主人公によって王家と有力貴族との間には深い溝が出来てしまうからです。有力貴族も、主人公が王子の婚約者となったので形だけでも頭を下げますが、腸は煮えくり返っているような状態でしょう。表向きは祝福もするでしょうが、その後は王家との関係も冷め切ります。有力貴族の分家や派閥の貴族たちも徐々に王家から距離を開ける事になるでしょう。社交界などのパーティーでは、王家が有力貴族を無碍にした話題で持ちきりになり、王家側の貴族たちは肩身の狭い思いをするに違いありません。なにより、国の重要役職の子息たちが一人の少女に首ったけになっているのを見てしまえば、これからの行政に不安を覚え領地貴族は領地に引きこもる可能性さえ出ます。封健制だとしても、有力貴族と言うのにはそれだけ力があります。いくら王家でも頭ごなしに命令することが出来ないのです。

こうなれば、国内は有力貴族派と王家派に分かれます。そうなれば、国内は内乱で荒れ果てる事もあれば王家派内部でクーデターが起こることも考えられます。こんな事態になったのは、主人公の所為だと。主人公に首ったけになった王子が問題だと。そして、それを制御できなかった王家にも問題がある。そうして内部分裂を繰り返し、国は滅んでいくのでしょう。


主人公が聖女だったり、今無き王家の血を受け継ぐものだったりする場合もありますが、宗教的には崇拝対象であっても、自身に利益を利潤を生みださないのであれば敬遠されます。かつての王家の血だろうと、既に滅んだ家の血に一体どれ程の価値があるのでしょうか。その血族由来の魔法でしょうか。そんなもの、その主人公が誰かと結婚した際に生まれた子供に対して何かしら対策をするべきでしょう。態々婚約者持ちの王族をあてがう必要性なんて皆無に等しいものです。


平民が貴族を倒す。それは、とても清々しく、プレイしている分にはとても楽しいです。しかし、それを一度小説の舞台とすると話は変わります。派閥争い、家の使命。貴族だからこそ存在する柵が主人公を襲います。主人公の恋路を邪魔したから悪。それは、余りにもおかしい。貴族として生まれ、貴族とは何たるかを教育(洗脳)されて育った彼女らになんの罪があるのでしょうか。


自分の為、家の為、それが婚約者の不吉な噂(この場合は主人公との逢瀬ですね)を払拭する為の理由で何が悪いのでしょうか。必ずしも、勇者が聖女が正義であるとは限りません。なにより、何方も名乗るのではなく授かるもの。自身でそうだというのではなく、自然と彼ら彼女らの行動を見て名付けられるものです。自分で「私は聖女だから!」そんなことを言って自分勝手にかつての平民の常識を貴族に押し付け、悪だと断ずる彼女たちこそが本当の悪なのではないでしょうか。


そもそも、この手のものには悪だ正義だとラベル張りをすること自体が問題なのかもしれません。そうする事によっての、明確な差別化は何も考えずにする際には大変助かるのも事実。恋は戦争と誰が言ったか、何方も自分の正義を叫び相手をどのような手を使ってでも倒そうとします。そうして、敗北した方は戦犯として裁かれるのです。

今回は、ここまで。前回よりは1000文字ほど少ないですがこれ以上は内容がブレそうなので。


次回は、「何故無敵主人公が嫌われるのか」について考察していきたいと思います。

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