それすなわち砲台なり
すてーたす。ありきたりの設定。
STR DEF VIT AGL INT MND LUC
それぞれ近接攻撃、物理防御、持久力、機動性、魔法攻撃、魔法防御、運に通じている。
スタミナは激しい動きをすると消費されて、動いていなかったりゆっくりと動いていると回復するよ。
あとそれぞれ副次効果として関連性のあるステータスも僅かに上がってくれます。
DEFが上がるとHPも上がります。INTとかMNDはMPが上がります。
「FOOOOO!!すっげぇ威力!序盤とは言え一撃で敵を倒せるってのはやっぱロマンだなぁ...」
ウサギが爆散した跡を眺めながらそう感想をこぼす。速度が遅く、判定が小さかろうが自分を狙ってない相手の進路を予測して弾を置いとくだけなのだ。落ち着いていたらそんなに難しいことではないだろう。
「ちょっと!聞いてないよ、いきなり目の前で爆発させるなんて!」
珍しくトールが声を荒げて抗議してくる。それも仕方のないことだろう、自分にとびかかってきたウサギが突然目の前で爆散したのだ。俺だってビビる。......そう思うとちょっと悪いことした感じになるな...。
「悪かったって、こうでもしないと当てる機会が少なくてなぁ...次からは魔法飛ばすとき声かけるからさ、許してくれよ」
「......次やったらモンスターそっちにぶっ飛ばすからね。まったく、もうちょっと味方に配慮してくれてもいいんだよ?」
「サー、次から気を付けます!」
そんなやり取りをしていると、最初に吹っ飛ばしたウサギにとどめを刺したウォッカが戻ってきた。
「おいおい、俺をほったらかしにして随分とたのしそうじゃねーか。こっちは一人で敵倒してきたってのによ...」
「お疲れウォッカ。ナイスだよ」
「あぁ、よくやったウォッカ。」
「なんかてきとうだなぁオイ!?ひどくねぇか??」
「いや、だってあのウサギ俺の魔法で瀕死だったじゃん...。それを誇られても...ねぇ?」
「あーはいはいそうですか、どうせ俺は瀕死狩りのハイエナですよ......」
流石に弄りすぎたようで、ウォッカが拗ねてしまった。何か話題を変えて気を紛らわせようか。
「あーそうだウォッカ、ドロップはどうだった?こっちは相変わらず肉と毛皮だけどさ」
「ん?ああ。驚くなよ?こんなものが落ちたぞ。」
そう言ってウォッカが差し出してきたのは、何やらクリスタル状のアイテムだ。アイテム詳細を見てみると、《グラスラビットのエレメント》と表示されている。
「お?これって...チュートリアルで言ってたカスタムに使えるやつか!なんかレアドロの雰囲気がするな」
アイテムの説明文には、『グラスラビットを構成する要素を凝縮した物体。スキルカスタムにて使用すると、速度に関する項目をわずかに上昇させる。』と書いてある。
「まぁこれはキープしておいて、町に帰ってから使い道を考えよう。もうちょい戦ったらレベル上がりそうなんだよね」
そう、今まで触れていなかったが、このゲームには2つのレベル制度が存在する。1つはプレイヤーレベル、上昇すると基礎ステータスが上昇し、種族特性やジョブによって上がり方は様々だ。基本的にプレイヤーレベルが1上がるごとにボーナスポイントが貰え、そちらは任意の項目に振り分けることが出来る。
2つ目はジョブレベル。ジョブレベルは上がると一定の区切りで新しいスキルを覚えたり、ここでは割愛するがアビリティなるものも習得できるという話だ。そして、ジョブレベルがMAXになると、条件を満たしている上位のジョブにつくことが出来るらしい。
というわけで序盤はレベル上げを目的として動いてるやつが多い。そのほうが純粋に強くなれるからだ。
「といってもだんだんプレイヤー増えてきてさ、そこかしこにいるじゃん。モンスターも大概狩りつくされてるぜ?リポップまで待つのか?」
たしかに、あたりを見渡すと至る所にプレイヤーが見える。これではもうレベリングは難しいだろう。
「まぁ、今回は肩慣らしって話でしょ?ならもう町に戻ってもいいんじゃない?」
トールは帰還を提案してきた。トールの言う通り一度町まで帰って情報収集などをするのもいいだろう、ここは俺も帰還を推そう。
「俺も戻ってもいいと思うぞ。戦闘はこなしたし、スキルのカスタムに充てる時間も欲しいしな。」
「んー、そうだな。狩りでも待たされるなんて詰まんねぇからなぁ...一度戻って次の探索の準備でもすっか!」
ウォッカからの了解も得られたことだし、俺たちは即座に町の方へと歩き出す。
しかしたった3回とはいえ戦闘をして、スキルを使ってみたところ効果を下げた魔法でもキチンとタイミングを計って撃てば当てられることは分かった。
前衛2人がうまくヘイトを買ってくれるので、後方から安定して状況を見れるのが大きいんだろう。
ヘイト無視で行動するモンスターでも出てこない限り、俺はあまり動かなくて済む。その分落ち着いて魔法を放つことが出来、命中精度もよくなる。
俺の中で何かが閃いた。
「.........。これ俺動く必要ないよな?ステータスとかも火力面にぶっぱ一択では??」
その閃きは、脳ミソまで筋肉でできていそうな、超極端な思考であった。
砲台系主人公(意味不明)、覚醒。