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RPGでもFPSの経験がいるらしい。

一足先に西門へとたどり着いた俺は、スキルカスタムを行うかどうか迷っていた。


「基本性能も見てないのにカスタムに手ぇ出すのもなんだかなぁ、でもやっぱりやってみたいんだよなぁ…………」


スキルカスタムを行うと、5つまではカスタムスロットに作成したスキルが登録される。

5つ以上作成したい場合はどれかを削除する必要がある。


「ま、今はそんな心配要らんけどな。減るもんじゃないし、少し弄ってみるか!」


俺はカスタム画面を開き、ファイヤボールの項目を選択する。


すると、チュートリアルではなかった、基本のカスタムポイントの横に(+2P)と表示されている。

何なのか、気になって調べてみたが、種族:人間は、カスタムの際に全ての項目に2Pプラスするらしい。しかもこのポイントは他の項目に移すことができるみたいだ。


早速ポイントを弄ってみる。火力以外の項目を5Pづつ減らし、ボーナスポイントも合わせて全て火力にぶっぱする。

これで火力の項目に40P入ったことになる。5倍の火力だが、その他の項目は半減されている。下がった速度、狭くなる当たり判定、増える消費、

短くなる射程。それらを踏まえても俺は火力に振る。


「どうせ何回でも出来るんだ、ちょっとくらいネタ入れても問題ねぇだろ、お試しだお試し。」


火力振り以外にも色々組み合わせを試していると、いつの間にか時間が過ぎていたらしく、気が付くと目の前にはウォッカとトールが立っていた。


「だいぶ熱中してたみたいだな。そんなに楽しいのか?スキルカスタムってよ」


「あぁ、まだまだ弄りたいくらいだな。やっぱ形を変えられるってのがでけぇよ……」


「まぁほどほどにしといてね?これから狩りに行くんだしさ。」


「おう、そうだぞ。俺たちの当初の目的は軽く狩りでもして腕ならしするって話じゃないか。早いとこ外に行こうぜ!」


「あー、そうだよな。とりあえずこのゲームでの戦闘がどんなものか確認しないとな。」


会話を続けつつ、門の見張りをしている兵士に各々登録してギルドカードを提示する。

登録仕立てのギルドカードを見た門兵は、「御武運を。」と言いながらにこやかな笑みを浮かべた。


「出来たやつだな、あの門兵。俺らが前にやってたRPGなんか最初の町を出るとき『なんだ、ひよっこかよww』とかいって煽ってきたもんなぁ……」


ウォッカは以前プレイしていたゲームのキャラと比較し、門兵の青年を誉めていた。


「あぁ、まぁそうだよな。造った笑顔だとしたら相当なものだよあれは。少なくとも俺は本気で初心者を応援しているように見えたね。」


「…………二人ともストップ。前を見て。」


会話に夢中になっていたせいか、注意が疎かになっていたようだ。トールの言葉に従い、前方を確認する。


《グラスラビット:Lv2》


どうやらこのゲーム初のモンスターに遭遇したらしい。


「さ、俺の魔術の実験台になってもらうぜぇ……」


「習得したスキルを試したくてしょうがなかったんだ!簡単に死んでくれるなよ!」


「二人とも、焦らないでね。相手の行動パターンが解らないうちは無理しない方がいいよ」


三者それぞれの反応を見せるが、うち二人は戦闘狂みたいな感じに仕上がっていた。


「さぁ、まずはカスタム無しの方からいくぞ、【ファイヤボール】!!】


少しの溜めの後、杖の先端に魔力が集まり炎を形成する。


「そしてこれをぉ、射出ぅ!!」


遭遇してこれまで動きがなかったグラスラビットだが、ここで初めて動きを見せた。

ウサギらしく、ぴょんっ と跳び跳ねたその動作は、人の膝上位もある大きさで行われると恐ろしい跳躍力を発揮した。

軽やかな跳躍で俺の撃ったファイヤボールを回避したウサギは、狙いを俺に定めたらしくこちらに体を向けている。


「まじ!?これ当てんの相当難しいな!!真正面から射ったら絶対当たんねぇって!

て言うかヤバい、あのジャンプ力でこっちこられたら俺逃げらんねぇ」


俺の心配していたことは直ぐに現実となる。こちらに向かって跳んでくるウサギは、2度ほどの跳躍で俺の直ぐ側まで来ていた。


「させるかってのォ!!

食らいやがれ、【スラッシュ】!!」


ここは流石にパーティープレイ、近くにいたウォッカが助けに来たようだ。ウサギの意識は俺に向いていたせいか、それとも跳躍に合わせてスキルを放ったウォッカの計算か。初級剣技スキル【スラッシュ】がウサギの横っ腹に命中する。


「いや、助かったぜウォッカ!後は俺に任せてくれ!」


【スラッシュ】によって減ったウサギの体力はおよそ5割ほど。最初のモンスターなだけあってその辺は弱いみたいだ。


ここで俺はカスタムスキルを使用する。

弄って上昇させたのは速度をメインに火力と射程で範囲は限界まで減らしている。形は矢のような形を想像しておいた。


「さぁ、どんなもんかな!【ファイヤボルト】!」


スラッシュをうけて吹っ飛んでいくウサギに照準をあわせ、着地点に向けてスキルを放つ。

先ほどのファイヤボールとは段違いの速度で飛んでいく炎の矢は、俺の狙い通り着地と同時にウサギに命中し、炎が爆ぜる。


初期モンスターであるウサギが、体力が半分を切った状態で耐えきれるはずもなく。体力がゼロになったウサギはドロップアイテムを残し光の粒子になって消えていった。

貴方の風邪はどこから?


僕は喉です。喋れません。キツいです。

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