宗教とN◯Kはノーセンキュー
《ピンポーン》
チャイムが鳴る。ここ数日ソフトが届くのを楽しみにしていた俺は、チャイムが鳴る度ドキドキしながら玄関へ走っていた。
「はいはーい、今行きますよーっと。」
しかしこれまで全て、宗教勧誘や家族当ての宅配などであり、少々期待が薄れていた。
「N◯Kだったら警察呼んだるからな……今度こそソフトであってくれ……」
呪詛を吐きながらドアを開けると、そこには箱を持った宅配のお兄さんの姿があった。
「◯◯さんのお宅ですよね?ここにサインお願いします」
サインをしながら宛先を見ると、確かに自分の名前が書いてあった。
ようやくきた!
上がったテンションを外に出さないようにしつつ、宅配のお兄さんとのやり取りを終え自室へと向かう。
「配信開始まであと2日しかなかったから結構焦ったなぁ……。あいつらも届いてるかな?」
携帯端末を取り出し、チャットアプリを起動する。確認するのは俺たち3人だけのチャットルームだ。
俺『今ソフト届いたけど、そっちはどう?』
B『こっちは昨日届いたよ。だいぶ遅くて少し焦ったよね……』
俺『Aは今仕事かね?ソフト届いたことだし、ゲーム中の役割とか決めたかったんだけど……』
A『いるぞぉーー!今休憩中だけどな。ソフトなら俺は数日前に届いてたぞ!』
しれっと自慢されてイラッとしたが気にせず話を続けよう。
俺『おー、居るならちょうどいいな。役割決めておくか。』
俺『前情報見る限り、魔法関連のカスタム要素がすっげぇ面白そうなんだよね、つーことで俺魔術士役やりてぇ。』
A『じゃあ残りは前衛だよなぁ、まだわからん事多いし、バランス重視の前衛職かなぁ。』
B『俺はタンクやるよ。アグレッシブに動き回るの得意じゃ無いんだよね……』
俺『全員違う方向性だけどやっぱ3人だと役割足りないなぁ。そのうちゲーム内でメンバー募集すっか』
A『すぐじゃなくてもいいっしょ。攻略詰まってきたら考えよう。』
Aの言葉に、それもそうだな。と思った俺は同意を伝えるためにチャットを打とうとした。
A『あ、やっべぇ!もう休憩終わりじゃん!わりぃ俺もう仕事戻らないと』
俺『おー、仕事がんばれよ。粗方決まったし残りはゲーム始まってからでも決めようや。』
B『OK。じゃあ俺も用事あるから、またね。』
解散し用事が済んだので必要ない、と携帯端末をしまい、チェアー型のVR機器に腰掛ける。
「さぁて、明後日まで暇だし何か別ゲーでもすっかな……」
『only your story』配信開始まであと、2日。
友人たちの名前はゲーム内だけで出す感じ