やっぱコネって大事だよな
あふれる火力欲が抑えきれなくなったので初投稿です
『only your storyへようこそ!』
キャラクリエイトを終え、スポーンした俺の目の前に映ったのは、俺と同じく手早くキャラクリを済ませたであろうプレイヤー、そしてでかでかと広場の中央に浮かぶ歓迎の文字だった。
「ファンタジー感台無しじゃん......」
VRMMO、『only your story』 今日配信開始の新作オンラインゲームだ。
技術が進歩し様々なVRゲームが発信されている現在、新作のVRMMOが出た程度じゃあ世のゲーマー達は騒がない。しかしこの作品は、『Nebula』という業界でも1、2を争うシェアを誇る超大手メーカーから発売される、嫌でも注目を集めるだろう。
限られた初回生産版を何とか人数分手にすることが出来た俺達は、配信初日からこのゲームをプレイするという特権を得られた。そう、俺たちだ。
俺は学生の頃から2人のリア友と一緒にゲームをやっている。このゲームを進めてきたのはその友人の1人だ。
「なぁ、Nebulaが新作だすらしいんだけど、俺らもやらん?」
「あー、確かに最近目新しいモンやってなかったなぁ...。ちょっとPV見てから決めるわ。」
「お前はどうする?」ともう一人の友人Bに話しかける友人A。
「………………。俺はやってもいいよ。RPGは好きな部類。」
快活で多方面にも友好的なA、おとなしいけど意思表示はしっかりするB、んで俺。いつも一緒にゲームをする仲間だ。
「お、乗り気だねぇ。んじゃ俺はさっそくPVを見てきましょうかね」
『今夏発売、Nebula社が監督する新作MMO、「only your story」。 リアルを思わせる美麗なグラフィック、NPCも進化しており違和感を感じることなく会話可能、etc....』
「んー、なんか特徴的なとこねぇかなぁ......、ん?【スキルをプレイヤー自身がカスタムすることが出来る】?」
「そうそう、それだよそれ。Oysで注目されてるとこ。攻撃とかに使うスキルをさ、プレイヤーがいじることが出来るらしいんだよね。」
「(Oys? あぁOnly your storyの略か...)スキルカスタムかぁ、これは気になってきたな......。よし、俺もやるわ!いつもみたいに俺ら3人で楽しく行こうぜ!」
「そう来なくっちゃなぁ!予約の抽選会はもうちょっと先らしいが、俺には秘密兵器がある。」
「秘密兵器?なんだそりゃ」
「――――――――――――――――――――――――コネさ。ラッキーなことに俺の親戚がNebulaに勤めてんだが、そいつが特別枠でソフトを用意してくれるって言ってたんだ。」
「まじかよ、そいつはついてるな。初日からプレイできるのはありがてぇわ」
かくして俺たち3人は『only your story』をプレイすることにしたのだった。