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15歳
俺には才能があった。
この時代の人間より体が大きかったのだ。
単位が違うので、よくわからないが親父が6尺はあるなと言っていた。
前世の体が小さかったので、皮肉なものだ。
両親も兄弟も小人にしか見えない。
そして、今日は喜ばしいことがあった。
野良作業中に領主から声を掛けられたのだ。
もちろん、領主は直接俺には声をかけない。
隣にいる付き添いにに何やら耳打ちしている。
その付き添いは言う。
「お頭様はお前の体格がいたく気にしておられる。次の戦には参加するように」
「必要なものは、後でお主の家に届けよう」
後日、紙の鎧、刀、槍が届いた。