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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

生命の花が散る前に

作者: 影月柚希

パッと思いついて10分くらいで物語構成考えたやつです。文章下手です。ご了承ください。

「あのサイトの話、知ってる?」


 かつて、たった一人の友人に投げ掛けられた質問を、頭の中で反芻させる。"あのサイト"といえば、最近話題になっている"死のサイト"のことだろう。何でも、自殺志願者を探して、自殺防止行為をして回っているらしい。サイトには「自殺志願者募集中。その一歩の手助けを致します」としか書かれていないので、本当のことかは分からないが。

 だが、噂であっても、私はそれにすがるしかない。藁にもすがるような~ってやつだ。

 クラスメイトからはいじめられ、先生も見て見ぬふり。親は「あんたが悪い」の一点張り。だから、このサイトに頼ることにしたのだ。


そして――――――。



 僕は、死の恐怖を知っている。実の妹に(やいば)を向けられたことを、決して忘れはしない。いや、忘れられないのだ。両親を亡くした僕が唯一信頼していた妹に、殺されかけたのだから。

 この世界には、自殺なんてくだらないことを考えている者がいる。それは、死の恐怖を知らないからだと僕は考えている。一度死の恐怖を知ってしまえば、自殺なんて考えないと思う。それでもなお自殺する人は、"死"を分かっている人だ。

 僕が立ち上げたサイト。それは、"死のサイト"と呼ばれるサイト。自殺を止める為に僕が奔走(ほんそう)する、その為の、その為だけのサイト。つまり、ただの自己満足。

 今日もサイトの書き込みを見てみる。自殺志願者は······一人。早速返信をする。


「初めまして。当サイトのご利用ありがとうございます。突然で申し訳ありませんが、お名前と自殺志願の理由を教えてください」



 本当に大丈夫なのだろうか。そんな不安が押し寄せる。だが、そんな不安を抑え込んで名前と自殺志願の理由を打ちこむ。


―――――もう、この世界に私の居場所なんてないんだから。



「ふぅ~ん。西城(さいじょう)葉菜(はな)さん、ね。で、いじめをうけていると······」

 名前さえ分かれば、住所をはじめとする個人情報の何もかもを知ることができる。まあ、僕にしかできない所業だろうが。そして、住所や学校を特定し、西城さんがいるクラスの雰囲気まで調べあげる。

「はは、こりゃひでぇや」

 自嘲ともとれる笑いがでる。うわべだけの"良いクラス"の現状を見て、西城さんの気持ちが少し分かった気がする。でも、それでも。

「自殺だけは、辞めさせないと」

 そうして僕は行動に移す。今は深夜だが、この際、そんなことはどうでもいい。家を飛び出して彼女の家に直行する。



 家のチャイムが鳴る。今は深夜。こんな時間に誰が何の用で······と思ったが、無視はなんとなく申し訳ないので出ることにする。

「はい。どなたですか?」

 おそるおそる声を出す。すると、はっきりとした低い声が向こう側から響いた。

「例のサイトの者です。西城葉菜さんでよろしいですね?」

 正直に言ってかなり驚いた。名前と自殺志願の理由しか教えてないのに、その日中に家に来るなんて。でも、何故(なぜ)か信頼できた。

「······はい、葉菜です。今開けますね」


 そして、沈黙が訪れた。目の前にいるのは、顔立ちの整った青年だった。緊張と不安から、私の方から話しかけることが出来なかったのだ。やがて、沈黙は彼の方から破られた。

「葉菜さん、本当に自殺をしたいですか?」

「······え?」

「死というものを······理解していますか?命の重み、分かってますか?本当に、味方はいないのですか?死ぬのが怖くて、一歩が踏み出せないから僕を頼ったのではないですか?」

 次々と問い詰める彼。私が答える間もなく、身を乗り出してくる。

「いや、あの······」

「命を絶つ覚悟があるのなら、もう、貴方はこの世にいないはずですよね?」

 言葉が、出なかった。正論すぎて、感情任せに反論することもできなかったのだ。

「で、も···それでも!私に味方はいなかったんです!もう、生きるのがつら···くて······ううっ······ぐすっ······」

「貴方は······死の恐怖を······味わったことがありますか······?」

 私が声を出す間もなく、気がついた時にはもう、彼は自身の短剣を私の首にあてがっていた。無表情に、冷酷に、ただ純粋な殺意をあらわにしていた。先程までの丁寧な物腰など嘘のように。

 それを認識した途端、言い様のない恐怖が私を襲った。"殺される"と、そう思った。死にたかったはずなのに、死ぬのが怖かった。殺されるのが、怖かった。

「あ······や、やめ······」

 ようやく絞り出した言葉に、彼は少し語気を強めて言葉を発する。

「こんなので恐怖するようなら、最初から死にたいなんて言うんじゃねえよ。今まで、僕に···僕の行為に恐怖しない奴はいなかった。皆そんなもんだ。死の本質を知らない」

 ふう、と息をつくと、彼は私から離れて席についた。私のわずかな安堵を読み取ったのか、彼は無表情を崩さずに言う。

「ああ、僕、銃も持ってるから。ここからでもお前を殺すには十分だ」

 カチャリ、という音を立て、銃口をこちらに向けてくる。そこで、初めて彼が笑った。狂気的な笑みを浮かべる彼に、彼自身に、恐怖した。

「はあ······もう帰るよ。自殺する気もなくなったろ?······。足掻(あが)いて、足掻(あが)いて、それでも味方がいなかったら、僕のところにくるといい。もっとも、君が僕のところに来る勇気があればだが」

 それだけ言うと、彼は家を出ていった。

「······寝よ」

 自殺する気なんて、とうに失せていた。



 数週間後、僕のところに誰かが訪れた。あの少女だった。ちゃんと、数週間頑張ったことを悟った僕は、本当の笑顔で彼女を迎え入れた。


――――――僕にも、家族ができたよ······佳奈···

重いですね(笑)あ、どーも作者の柚希です。はい、夢を物語にしてみました。夢の中で何があったのかはご想像にお任せしましょう。続きは無いです!はい、これだけでございます。


感想等、よろしくお願いします!では(*´∀`*)ノ

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