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偽大鏡  作者: 若侍
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とりかはりたること

 晴明が家の前に、童あり。にわかに転びて起きぬまま、式神一人参れと言うに、あやしく思ひて戸を押し開くに童を見ゆ。あないみじや。晴明殿愛敬づきぬとて笑ひ、童なる晴明を抱ふ。式神、童を率て入るに、晴明なる童、いかがはせむ。我が身もこそ復ちねと言ふに童、我に案ありとて晴明喜ぶ。されど、我が身にあらねば、術なしと言へば、わびしとて伏しぬ。

 しばしありて、やや。若み力なくば術なしと思へど、式神こそゐたれとて符を書きつけて、式神どもに持たせ晴明と童を囲ます。晴明なる童、一心に祝詞を唱ふるに符の三度光りて復ちたり。童いと喜びて、我が殿上人になれば、汝用ゐるべしとて門より出づ。晴明、符の三度光れば、かの童三度時めかんと式神に言ひてこまやかに笑ふ。

 この童こそ、若き入道殿なれ。

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