ゲンジツ
「ねぇ、柚今日さワタシ、麻衣と行きたくない・・・。」
ワタシは、柚に朝一に電話した。
柚は、優しいから心配した。
またワタシは嘘をつく。
多分これからもいっぱいつくんだろう・・・。
まぁ、いいや。別にそんなことどうでもいい。
ワタシと柚は、その日は2人だけで行った。
学校についてからは、一度も麻衣と会わなかった。
だって、麻衣はワタシを避けていたから。
弱いんだなぁ。
こんなどうでもいいことで、そこまで傷つくなんて。
まだまだ、これから楽しくなるのに、ねぇ・・・。
「柚ー!!一緒に帰ろうよー!」
帰り、ワタシはそういって麻衣を無視して柚と帰った。
陸上部の子は部活があるけれど、
バレー部は今日は休みだった。
ワタシと柚は、2人で麻衣の前を帰っていった。
途中で麻衣が話しかけてきた。
「あ、あのさぁ、なんで一緒に帰らないの・・・?」
ワタシだけ振り向いた。
「それが、どうしたの?」
振り向かないまま、柚がいった。
「一緒に帰ったこと・・・あるっけ?」
まさか柚もワタシ側だったなんて、と麻衣は驚愕を隠せないでいる。
ワタシの唇から笑みがこぼれた。
「ふっ、あははっ、まだ気づいてないのっ?これからどうしようか・・・?」
目を細めて、薄く嗤う。
麻衣は目を見開いたまま、動かない。
柚をワタシは、そのまま帰った。
2人で嗤いながら。
明日はみんなとね、と話ながら。