オワリ
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「買ってこないから、悪いんだよ・・・麻衣」
ワタシは麻衣に電話をしてから、待ってみた。
今の麻衣なら、絶対に買ってくると思っていたのに。
なのに、なのに。
買ってこないから、麻衣が悪いんだよ。
頼まれた物は、ちゃんと買ってこなくちゃ、ね?
だから。
ワタシは月曜日、朝いちで麻衣の机を、靴を、教科書を、ノートを校庭の真ん中に。
ズタズタに切って、破いて、壊した。
だって、麻衣にはもう必要ないもんね。
どうせすぐいなくなるんだから。
まっさらな状態で送り出してあげる。
今週いっぱい、がんばろうね。
中川、麻衣さん。
ひさしぶりに、ワタシと柚と麻衣とで、登校した。
麻衣を真ん中にして。
その頃のは、クラスの男子や、2〜3年が歩いていた。
ワタシと柚は仲の良さをアピールするかのように笑顔をしていた。
はたから見たら、仲の良い3人組にしか見えないだろう。
ワタシのイメージが崩れることなんかなくて、
「麻衣、分かってるよね?」
「あんたさぁ・・・いないほうがいいんじゃない?」
「ハッキリいうと目障り」
「かわいくもないのに、ブってんじゃねーよ」
「お姉さん、麻衣のせいで怪我したんでしょ?大丈夫??」
なんて、小声でいってんのに周りは全然気づいてなくて、
「もう、やめてよっ!!」
って麻衣が叫んでも、
「ゴメンっ・・・ワタシ、そんな麻衣のために・・・」
みたいに、泣き真似さえしてれば
正しいのが
どちらかなんて
わかんないじゃん。
ほんと、バカばっかりでこんなんで生きてけんのかよ。
つまんない。
きっと、教室にいっても麻衣は誰とも話さないんだろう。
ワタシのせいじゃないし、
新しく、は誰にしようかな。
麻衣みたいにすぐ、いなくならない奴にしよう。
そのほうが面白いし、
ヒマつぶしに、ピッタリじゃん。
次の日から、麻衣は北中にはいなかった。
弱っ!