ハジマリ
事実はホントに悲しくて、コワイことです。
春。
ワタシが一番好きな季節。
桜が咲き、新しい学年へと進むから、ワタシは期待に胸を膨らませ・・・
でも、現実はそうはいかない。
初めての制服に、初めての中学校、期待よりも不安のほうが勝っていた。
友達は新しくなるんだろうか。
今までよりも楽しく過ごせるか。
そんなことを考えているうちに、時間はどんどん過ぎてしまう。
言い遅れたが、ワタシは、藤原ミカ。
どこにでもあるような、普通の名前。
ワタシはこの名前が大好きだった。
ワタシの学校は、北中と呼ばれていて、それなりに大きい学校だ。
全校生徒の数は、あわせると600人以上にもなる。
校則は厳しくないが、上下関係がかなり厳しい学校だ。
中学校生活の3年間はこの関係が強ければイイにこしたことはない。
モチロン、『トモダチカンケイ』も・・・・・・。
入学式が終わった。
クラスは1年B組になった。担任は吉田梨花。
新任で、美術の先生だ。
パッと見は、ちょっとかわいらしい先生だ。
ワタシの席は真ん中の前から2番目。
前の席の人は、来ていなかった。
「登校拒否」らしい。入学早々、見たハジマリ。
うしろの席の子は、萩原彩華という、とってもかわいい子だった。
彩華とは、すぐに仲良くなった。
部活はもう決めていて、陸上部に入るのだという。
ワタシなんかは、まだなんにも決めていないのに・・・。
北中の部活動は強制だ。全員入らなくてはならない。
のに、
どれも興味がない、ものばかりだから、ワタシは決められなかった。
結局、トモダチに誘われてバレー部に入った。
いまさらどんなに後悔してもムダ。
決まってしまったコトだから。
B組で、バレー部に入ったのは、ワタシと小学校でも一緒のクラスだった、小西柚
と、クラスは別々だった、高橋悠だった。
この二人は名前も似ているし、何より、とてもなかよしだった。
3人っていうのは、イヤな人数だ。2人が仲良くなると、ひとりぼっち。
居場所なんてナイから・・・。
小学校から仲が良かった友達は違うクラスになってしまった。
悲しかったけど、別れなんかじゃないから、平気だった。
いつでも遊べると思ったし、ワタシはその友達を親友だとおもっていたから。
いつまでも、その親友とずっと一緒でいればよかった。
そうすれば・・・