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オタクウィザードとデコソルジャー  作者: 夢見王
第三章 体育祭と海開き
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第07話 - 海開き2日目後編

初の女性視点を入れてみました。

そして、これといった良さをアピールできないまま、水着回は今回で一旦終了です。

やはり、定番と言える巨大タコの触手プレイは入れるべきだろうか…。

「ノーマン、一緒に来てくれ。手伝って欲しい用事ができた」


 私達に抱き着かれ、なすがままだった渉が急に立ち上がり、ノーマンに向かってそんな事を言い出した。


「あいよ。マージも連れて行った方が良さそうか?」

「いや、留守番してもらってた方が良いな。…むしろ、マージちゃんは俺達が戻ってくるまで、このパラソル周辺から動かないでもらいたいくらいだ」


 黒とシルバーのグラデーションをした髪に、狼の耳と尻尾の生えた超巨乳の美少女、マージちゃんへと私達の視線が集中する。

 学園内で見る限りは見慣れたものだが、ここも外部から全く見えないという訳ではない。敷地の外には国道も走っているし、ただでさえここは男性の夢が詰まったような美女・美少女の集う施設だ。

 年に数回は、侵入を試みようとして警備員に見つかり警察に連行されたり、覗きを試みて木から落ちて大けがをするといった身の程知らずが出没するのである。昨日今日と、渉謹製の尻尾隠し用魔導具も使っていないため、フサフサの尻尾が物凄い自己主張をしている。下手に動かれて、そういった連中に騒がれたくないのだろう。


「じゃ、じゃあ俊之としゆき、私が付いて行こうか?」

「いや、篠山ねーちんもそうだけど、皆は海を楽しんでて。なに、ノーマンが居るから何があっても大丈夫だよ」


 かえでがチャンスとばかりに名乗り出ようとしたが、私達への念押しと共に断られていた。

 マージちゃんを出し抜いて、ノーマンの役に立とうと思っていのだろう…ドンマイ。


「ウホッ。俺をそんなに信じてくれるとか、嬉しい事言ってくれるじゃないの」

「うっせ、茶化すなっての。…コホン。じゃあ、ちょちょっと片づけて戻ってくるわ」


 そう言い残して、二人はそそくさと校舎へ移動してしまった。

 残された私達は、それぞれ今日を楽しもうと気合を入れていたというのに、肩透かしをくらってしまった状態である。


「あ~あ、渉君、行っちゃった…。頑張って空き時間を作って来たのに、突然どっかいっちゃうなんて…もぅ!」

「理事長。渉は移動する直前、警備員の一人から魔力通信にて『学園の東に広がる林の木の上に、怪しい人影を目撃した』という報告を受けていました。恐らく、その人物を捕えに行ったのだと考えられます」

「あら、そうだったのね。…いつの間に、そんなやり取りできる物を作ったのかしら」

「昨晩から今朝にかけてですね。ちなみに、その魔導具を導入する際、私も一緒に警備員棟へデー…付き添いしていたので、間違いありません」

「さすがは渉君だわ。たった一晩で、便利魔導具を作っちゃうなんて。…ところでマチュア先生。どうしてその時に、私を誘ってくれなかったのかしら?」

「い…いやぁ、その…今朝と言っても、A.M.5:00という早朝でしたし…」

「あらあら、ご心配には及びませんよ? 私、これでもここの卒業生ですし、早起きには自信がありますからね。その時間であれば、すぐにでも身だしなみを整えて出かける事も可能でしたよ。…次からは、そういうチャンスがあった場合、必ず私へ直通の連絡を下さいね? マチュア先生?」

「イ…承知しました(イエス、マム)


 渉が居なくなったので何をするでもなくぼうっと海を眺めていると、私の斜め後方からそんなやり取りが聞こえてきた。

 まったく、昨日はマチュア先生の乱入で義弟(おとうと)とのラブラブタイムを邪魔されたというのに、今日は理事長まで参加してくるとは…。私の恋のライバル達は、渉を諦める気は全くないらしい。手強いったらありゃしない。


 昨日の渉の発言を聞く限り、まだまだ私への好感度は他の追随を許さない領域のようだが、彼も年頃の男の子、「他の女にコロッと行ってしまうのでは?」と内心、戦々恐々としている。

 渉の好みのタイプは、私達が初めて出会った頃から変わらず『頼りになるお姉ちゃん』である。故に、今までは、ゆるふわ系おっとりお姉さんな美希姉みきねえのみを警戒していれば良かったのだが、4月のテロ騒動のどさくさに紛れて、奈津美なつみちゃんがライバルとして名乗りを上げてしまった。

 彼女だけならば、「渉と同い年だし、好みからは外れる」と安心できていたところだが、まさか、色気ムンムンの理事長までもがしゃしゃり出てくるとは予想外過ぎだ。

 しかも、今では渉に「由子ゆうこお姉ちゃん」と呼ばせてしまっている始末。スタイルも良く、いかにも『仕事のできる年上美女』を具現化したような容姿をしていて、順当に考えて一番の危険人物だ。


 次に、テロ騒動の頃には裏で色々と手助けをしてくれていたという、渉が父さん達と共に作った人工知能マチュア先生。GWの修行旅行の際、両親の研究所に封印していたというボディを得て、これまでの穴埋めをするかのように、あの手この手で渉を押し倒そうとしている。

 今の所、渉の反応は『手のかかるじゃじゃ馬娘』といった感じなので、恋愛対象になるとは思えないのだが、年相応の性欲に負けて、彼女の“妊娠する心配のない身体”をむさぼってしまわないか義姉おねえちゃん──


「──心配だわ……あ…」


 しまった、つい声に出してしまった。

 最近、満足に渉に抱き着けていないから、メンタルが不安定になっているのかもしれない。

 それもこれも、ノーマンが渉を独占する確率が高いせいだ。まったくもって羨ましい!


本当ホント、心配ですね。その人影も、ただの覗き魔だったらいいんですけど…」


 ただの呟きレベルだったはずだが、横に居た奈津美ちゃんには聞かれてしまっていたようだ。

 私の心配は、単に義弟がたぶらかされやしないかという点だったのだけど、奈津美ちゃんは渉が危ない目に遭わないか心配してくれていたのね。義姉ちゃんとして、ちょっと負けた感じだわ。


「そうね。でも、私の(・・)渉なら、例え何が有ろうと怪我はしないと信じて(・・・)いるわ。テロ騒動の時みたいにね」

「わ、私だって莉穂姉と同じくらい、渉の事を信じてますよ! だって、目の前でテロリストを倒すところ見てるし…」


 その時の姿を思い出したのか、奈津美ちゃんの頬にほんのりと朱が差す。

 普段はしっかりとした雰囲気を漂わせているが、こういった表情をしたときはそのギャップも相まって可愛らしく見えるからずるいと思う。

 そして何より、マージちゃんほどではないが奈津美ちゃんも私と同じくらいか、それ以上の巨乳である。渉が巨乳好きな事を知っている私としては、「同い年と言う不利要素を覆すかもしれない」と思っているのだ。


「へ、へぇ、そうなの。まぁでも、私も守ってばかりじゃあ義姉ちゃんとして示しがつかないから、渉のフォローができるくらいには強くなるつもりよ? GWでは美希姉に先を取られたけど、そのうち渉と肩を並べて居られるようになるわ!」

「わ、私だってそのつもりです!」


 背後に居る大人な美女二人を余所に、私達は私達でライバルを牽制していた。

 そう、後ろの二人は年上美女というポジションにいて油断ならない相手だが、横に居る奈津美ちゃんは、クラスメイトとして一番渉の近くに居られる存在なのだ。

 今の私は、余裕を見せつける先輩という表情を装ってはいるが、実際の所、余裕はあまりないと言っていい。それがバレないよう、自然と海に視線を戻してそっと溜息を吐いた。


「「はぁ…頑張らなきゃなぁ…」」


 タイミングを計ったかのように、奈津美ちゃんと全く同じ呟きが漏れていた。

 驚いてお互いの顔を見てしまったが、すぐに「負けないから!」と言うように私達は不敵に笑い合う。

 立ち止まっていたら、後ろの二人だけじゃない、今横に居る年下の幼馴染にすら追い越される可能性があるのだ。

 気合を入れて頑張らないといけない。



  ▲▽△▼△▽▲



 美沙都みさとさんからの魔力通信で、「学園の敷地外に広がっている林の木の上に怪しい人影あり」との報告を受けた俺とノーマンは、水着から私服に着替え終わるとすぐに該当の林を調査していた。

 始めは敵襲の場合を考慮して、二人一組ツーマンセルで調べるつもりだったのだが、地味に広範囲であるため手分けして探ることにした。

 仮に、テロ組織ラスト・ワンの斥候だったとしても、人質も居ない状況なら俺が後れを取ることも無いだろうという点も考慮しての判断である。


 学園の敷地周辺ならば、魔力センサー等を駆使して不審な人物の気配を察知でき、この林もその範囲には入っているのだが、さすがに林全部をカバーすることはできていない。俺ら自身で魔力を察知し、人力レーダーとして探るしかないのだ。

 今までは、魔力の扱いが得意だったという点と、魔法式のフル構築が必要だったという点から俺の十八番扱いされていた人力レーダーだが、GW中の修行の成果としてノーマンも普通に扱えるようになっていた。

 ついでに、貴重な戦闘要員の一人でもあるマージちゃんにもコレは覚えて貰っている。

 これで、認識阻害の魔法陣を仕込まれたベルトを、ラスト・ワンの人員が起動しない限りはノーマンとマージちゃんの二人で自動迎撃可能となったわけである。


 …俺? ハハッ、防御に関しては自信があるけど、攻撃に関しては素人に毛が生えた程度ですからね。戦闘のプロである二人の邪魔をしないよう、後方支援に徹するつもりですわ。


 さて、そんなこんなで野郎二人で別々に林を走り回って探った結果、俺達のレーダーに反応したのはたった一人だけで割とすぐに発見できた……のだが…。


「なぁ、BB…」

「言うな。例え過剰な反応だったとしても、手遅れになるよりかはマシなんだからよ…」

「ぐっへっへ…ナイスバデーなチャンネーが、水着姿でキャッキャウフフ……たまんねぇよなぁ…ぐへへ」


 まぁ、最悪の場合を想定しての出撃ではあったが、幸か不幸かただの覗き魔(デバガメ)でした…という

オチである。

 とりあえず、マージちゃんはもとより、女性陣を連れてこなかったのは正解だったな…と、自分のファインプレーを褒めて気を紛らわそう。


「…それにしても、よくあの高さまで上ったな。確かに学園関係者は美女・美少女揃いだとは思うが、魔力も神力も覚束おぼつかない一般人がよくやるぜ。天晴あっぱれとしか言えん」


 そうこぼしているノーマンの視線の先には、双眼鏡を片手に、木にしっかりと体をくっつけて「ぐへぐへ」言っている覗き魔の姿があった。

 ここ数年はめっきり少なくなったこれらの輩だが、一昔前は飢えた男どもがすごかったらしい。戦時中は男手が駆り出されていたから大人しかったが、終戦直後はお巡りさんやら救急隊やらが連日出動するような騒ぎだったそうな。

 尚、救急隊が出動する理由だが、暴動が起きるからではない。今現在、覗き魔がやっているように木に上って観察し、興奮のあまり足を滑らせて大けがを負うバカのせいだったそうな。

 まぁ、気持ちはわからんでもないけどな。一番年上にあたる40代後半の人妻でさえ、20代後半くらいに見える人だっているんだもの…。

 最近に至っては、フル構築を覚えたせいで更に見た目が若返ってるし…。

 若く美しい見た目なのに、大人特有の色香も持っているんだ、そりゃあ誰だって興奮する。俺だって興奮する。…毎日見て慣れているから、自制が効くけど。


「『生きることはきっと自分との戦』と歌でも言ってるし、これが彼らの生き様なんだろう。それに全力を傾けているだけなのさ…やってる事の下衆っぷりはともかくとして」

「“雷伝説”じゃねぇか、名曲が台無し…。んでBB、どうやって引きずりおろす? それとも、普通に110番に連絡か?」


 ノーマンが指示を仰いでくるが、これは普通に考えて警察案件で十分だな。俺らじゃなくても対処可能なのだから、折角だし国家権力を使わせてもらおう。


「ただの覗き魔だし、ここは警察に連絡して──」

「ぬっふっふ…昨日のけもコスの巨乳美少女はど~こかな~。まるで本物かの様なリアルに動く完成度の高い尻尾、あれはどうみてもアナルに入ってるよね~。おっと、思い出しただけで、拙者のリトルボーイが臨戦態勢になりましたぞ~。このまま壁オナならぬ、幹オナという新境地を開いてみるのも良いですな~。デュフフ、コポォ…」

「──と思ったけど路線変更。俺が気絶用の雷撃魔法サンダーをぶちかますから、ノーマンは落っこってくるのをキャッチしてくれ。そしたら、超強力な催眠魔法ヒュプノシスを掛けて記憶をいじってお帰り頂こうじゃないか」

了解ラジャー


 昨日も居たらしい木の上の覗き魔は、どうやらバッチリとマージちゃんを目撃していたらしい。

 ガチの獣っ娘とは思っていないのは良いとして、噂が広まるのは何としてでも阻止せねば面倒なことになる。なので、記憶と共にこの覗き見スポットからおさらばしてもらい、俺らはさっさと海に戻った。



  ▲▽△▼△▽▲



 次の日、“無職の男性が、ここ数日の記憶を失った状態で石廊崎いろうざき付近を彷徨さまよっていたところを警察が保護”というニュースが地方の新聞に載り、『石廊崎に宇宙人か?!』というプチ騒動が起きたことを、くたびれた様子の沖中将から小言交じりに聞く羽目になった。

 だって仕方ないじゃない。マージちゃんを目撃していたということは、その近くに居たはずの莉穂姉も目撃されていたかもしれないわけで、俺以外の男の自家発電ネタになるかもしれないというのが許せなかったんだもん。

 つい気合を入れ過ぎて、数日分の記憶をサヨナラさせちゃったけど、大事の前の小事ってやつだ。所謂いわゆるコラテラル・ダメージというやつである。

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