案内された場所は
昨日の2度目の更新になるはずだったものです
ギルドの奥にある部屋
エリーゼにつれられ入ったその部屋には誰もいない。
「ギルド長?隠れてないで出てきてください?」
エリーゼの問いかけに奥にあった椅子が動いた。
何もなかった空間が揺らぎ
黒い煙のような闇が集まるとその姿を人の形に形成していく。
「いいじゃないかエリーゼちゃん少しくらい遊んだって」
闇は中性的な人へと姿を変えた。
女性か男性か判断がつかない。
ただ、普通の人とは違う点が一転。
背中に片翼の蝙蝠のような黒い羽が生えていた。
「これが気になるかい?」
俺へと向けられた言葉。
黒翼にふれ見つめる目は何処か寂しそうであり何かを期待してる目だと感じた。
「ギルド長、要件を」
エリーゼさんに促され仕方ないなぁと呟きギルド長は話を始めた。
「ネイくんだったかな?君の種族について少し聞きたいことがあるんだ」
「種族、ですか?えっと夜魔です‥…」
「それは、ハーフだとかではなく?」
「はいっ」
「そうか‥…うーん。困ったことになったね」
腕を組み、その場で頭を悩ませているギルド長
夜魔が不味いのだろうか?
「君に少し話を聞いて貰いたい。」
そういってギルド長が語り出したのは今から数100年前の事
世界は荒れていた
定期的に魔王が登場し、世界を統一するべく人と争っていた時代。
その時代に一人の魔王が人との融和を図ろうとした。
その魔王の名前は残ってないが種族は夜を統べる魔族
夜魔といった。
夜魔は圧倒的な力で戦場を壊し戦いを止めていった。
曰く、人と争っている場合ではない。
これから世界には共通の敵が現れると
しかし、それを誰も信じなかった。
人も今まで戦っていた種族と仲良くなんて出来なかったし
魔族達も力を持ちながら世界を統一しなかった魔王に不信感を抱いた。
そして、魔王の言う通り世界の敵が現れ始めた。
そいつらの名は魔獣
暴走した世界の魔力から生まれた獣達だ。
魔獣は生ある者すべての敵だ。
それは人も魔族も関係ない。
全てを喰らい尽くそうと暴れ始めた。
その魔獣達は今
ある場所に封印されている。
北の果て封印の施された大地『ガルディア』
かの魔王が命と同種族を生け贄として封印したのだ。
それ以降夜魔はこの世界に存在していなかった。
君が現れるまで‥…
「それじゃぁ、ここにいるのって」
「もしかしたら封印が解けかかっているのかもしれん。それかもう、解けてしまったか‥…」
「事実、魔物の活動が最近活発になってます。」
エリーゼさんが口をはさむ
魔物は封印しきれなかった魔獣の力の欠片とも言われているが詳しくは解っていない。
しかし、生き物の敵は変わらない。
「どうすればいいんですか?」
「強く‥…なって欲しいかな。魔獣と戦う戦力として強く強くなってほしい。」
「‥…」
「まぁ、気負いせず考えてほしい。君たちの選択までまだ時間があるだろうし」
帰って良いよとのことで俺とみーしゃさんはギルド長の部屋からでた。
最後にされた忠告は種族を無闇に教えないこと
できれば隠してほしいとのことでこれからは半夜魔を名乗ることになった。
ギルドの記録も弄っておくと言われ夜魔と知っているのは俺とみーしゃさん、ギルド長にエリーゼさんだ
帰る道のりは二人とも宿屋につくまで一言も話さなかった。
宿屋につきみーしゃさんと別れ部屋に戻ってすこししたら扉がノックされた。
「お邪魔しますっ‥…」
入ってきたのはみーしゃさん
俺は座る場所をあけそこに座ってもらうと気まずい沈黙の時間が流れる。
「あ、あの!」
先に口を開いたのはみーしゃさんだった
「さっきはありがとう。凄く‥…かっこよかった」
「あ、こっちこそ、助けるのが遅くなってごめんなさい」
二人して言いたかったことが言い終わると少しスッキリした表情になる
そしてこれからについて話を始めた。
「みーしゃさんは‥…あんなことがあっても一緒にやってくれますか?」
「私こそ力不足かもしれないけど、よろしく」
改めて俺とみーしゃさんは手を取り合ったのだ
保存はこまめに・・・