絡まれたみーしゃ
仕事終わりに寝落ちしてこんな時間に、、、
本日の更新です!
「まだっかなぁー、まだっかなぁー♪」
ネイがエリーゼに連れてかれてから暇をもて余していたみーしゃはクエストカウンターにクエストの選択に来ていた。
リズムを刻みながら選んでいるのは
今まで選ぶことのできなかった参加が2人以上の物ばかり
ソロでクエストをこなしていたみーしゃはそろそろ一人が寂しくなり、偶々出会ったネイとパーティーを組む事になり上機嫌だ。
始めてみたとき、何故か心引かれ
どこか常軌を逸失してたが
恐いとは思わず
むしろ、あ、この子何処か抜けてる‥…可愛いなぁと思ってしまっていた。
ネイからきいていた夜魔の性質から昼間は外にいかず、出来るだけ夜に集めたり戦ったりできるものを選んでいたのだが‥…
「がはははっははっは!!」
邪魔者が現れた。
彼らは渡人とは違う純粋なここの冒険者のグループ『Hage』
渡人たちの間ではハゲの軍団の汚名がついている。
というのも‥…
「あ、アニキ!!彼処に噂のソロの猫人がいますぜ!」
溢れ出る小物臭と、
「お、いいねぇ!おいそこの女ぁ!!」
渡人に突っかかってくるウザい奴等なのだ。
みーしゃは無視してクエストカウンターに行こうとしたのだが
「へへっへ‥…ちょっと待ちな猫人」
「そうだ、アニキが呼んでんだ話ぐらい聞きやがれ!」
取り巻きに囲まれてしまった。
「すみませんが、退いていただけませんか?」
「いいじゃねぇか、どうだ、俺様がクエスト手伝ってやるよ。」
みーしゃの側にやって来たアニキと呼ばれた男は
肩に手をかけるとそのハゲ面を目とはなの先にまで近づけた。
「いい加減に‥…しろっ!」
イライラが募ったみーしゃは握った拳を男の鳩尾へと叩き込んだ。
ぐぉぉおと苦悶の声をあげ崩れる男
「てめぇ!!アニキに何しやがる?!」
回りの子分たちが一斉に刃物を取り出したところでみーしゃも自らの武器を取り出した。
「全員まとめてかかってきなさい」
みーしゃの言葉に子分達が飛びかかろうとしたところで、それを制したのは鳩尾を押さえたままの男
「気に入った、気に入ったぞ!俺は決闘を申し込む。もし俺が勝ったらお前は今日から俺の奴隷だ!」
「いいわよ、ただし私が勝ったらもう二度と私の前に姿を表さないでくれる?」
と、こうして決闘は始まったのだった。
ここからはネイもみていた通りの事がおき
ネイが回し蹴りを叩き込んだのだが‥…
ーーーーー
どごんと、人間を蹴り飛ばすという表現にあっているのか解らない音をたて
男はギルドの壁を打ち破り外へと吹き飛んでいった。
目の前のみーしゃさんはポカンと口を開けているし、回りに人たちも呆気にとられ
ましてや蹴った俺でさえビックリしている。
そんな異様な場を和ませるべく
「みーしゃさんっ、聞いてください職業が死霊術師と、錬金術師になりました!ま、まぁどっちも見習い何ですけど‥…」
と、発したのだが
「え、戦士職とかじゃないのにその威力なの?」
「ば、化物じゃねぇか‥…」
「お、俺たちもアニキのように‥…」
みーしゃさんと回りからは思いっきり引かれてしまった。
そんな、いたたまれない空気の中
空いた壁の穴から男が戻ってきた。
汚れてはいたが、傷などはついていない。
男は萎縮する部下たちに向かって吠えた。
「お前ら、いいからそいつをやっちまえ!!数で、数で、潰すんだ!」
男の声に、一人又一人と剣を抜いていく。
しかし、全員腰が引けていて不甲斐ないものの
確かに囲まれているのは不利だ。
まだ武器もないのでどうするか‥…そうだ。
「我と敵対する者共に‥…ポイズン」
ごっそりと体の中のなにかが抜けていく感じがする。
しかし、敵をどうにかするために思い付いたのはそれだけだった。
すると、体の回りから黒い靄が現れ人の合間を縫い広がる。
それに触れた子分達は一斉に泡を吹いて卒倒した。
「なっ?!」
驚きの声をあげる男だったが自らも靄に触れ泡を吹いて倒れたのだった。
ギルドは静寂に包まれ、嫌でも回りの視線は俺へと集まる。
そんな空気がいやになりみーしゃさんの手を引きギルドから抜け出そうとしたのだが。
「ちょっといいかしら?」
エリーゼさんに道を塞がれてしまった。
さっきまでのニコニコ笑顔は無い。
「あなたに会いたいって人がいるの、ついてきてくれるかしら?」
「‥…断ったら?」
言葉を発した次の瞬間。
首に突きつけられる細身の剣、所謂レイピアだ。
死戻りしてもよかったのだが、その場合みーしゃさんに被害が及ぶと思い
大人しくエリーゼさんのあとに着いていくことにした。