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始まりの草原から

はっ!っと気がつけば目の前には広大な草原が広がっていた。

さっきの場所とはうってかわり、空は青々と雲ひとつない晴天で‥…晴天で‥…


「いぎゃぁぁぁあ?!!」


思わず絶叫してしまう

痛い、痛い、痛い!

日に当たる肌がじりじりと焼け焦げ赤く爛れていく。

咄嗟に、振り替えると少し先に鬱蒼と木々が繁る森林が広がっているのでそこに全速力で駆け込む。

視界が赤く染まり、死の恐怖と戦いながら走ったのだが間に合わず、森林の一歩手前で力尽きてしまった。


ーーチュートリアルボーナス発動

ーー任意の場所にリポップできます。

・始まりの草原

・キャラクターリメイク


システム音声が聴こえ選択肢が二つ現れる

ひとまずこれは復活するにしても考えよう

というかこれは弱体化して最悪死ぬことになろうって感じではない。

あの人形絶対許さん‥…。

沸々と俺の中にどう復讐してやろうかと色んなプランが溢れてくる。

と、それはそれとして死んでしまうとキャラ復活は出来ないときいていたがどうやらチュートリアルでは復活可能らしい。

といっても今は物凄く復活を躊躇っている。

またあの痛みを体験しなくてはならないかと思うと手が震える。

キャラクターリメイクがあるので今から戻って人形をボコボコにしつつ

日の光の元で生活出来るものに変えてもいいのだが‥…

負けた気がするな。

それにあれとは又どこかで会えそうな気がする。

と言うことで意を決して草原へとリポップするのだった。


ーーーーー




「よし‥…あと一歩だ。」


草原のリポップを繰り返すこと数10回。

徐々に森へと入れるところまで来ていた。

何回も繰り返すうちに痛みは減っていき死ぬまでに時間がかかるようになったのはありがたい。

次の挑戦で森へと入って見せよう!

そういって数10回目の挑戦が始まった。

リポップ場所は毎回変わらない。

体が動くようになると同時に森へとダッシュ

そして遂に‥…


「いやったぁぁああああ!!」


俺は遂に森へと死なずに到達した。

辺りで一番大きな木の影で腰を落ち着けるとシステム音が聴こえてきた。


ーーエリア移動を確認。

ーー蓄積経験値を獲得します。

ーー種族レベルが上がりました。

ーー日光耐性を習得しました。

ーーダッシュを習得しました。

ーー痛覚耐性を習得しました。

ーー称号を獲得 最短死亡記録。


休みながら流れてくる情報に目を通す。

3つのスキルと1つの称号。

詳しく見てみようとステータスを開こうとしたときだった。


「ぐっ?!」


なにかに首を閉められている感覚。

しかし辺りには誰もおらず、首だけがどんどんしまっていく。

肌が焼ける時とは又違う死に方‥…

折角、森についたのに‥…

徐々に薄れる意識の中最後に見たのは森の奥に蠢く6つの赤く光る玉だった。


・始まりの草原

・蟲の森

・キャラクターリメイク


さぁ、戻ってきたこの場所。

さっきとは違い選択肢に蟲の森が増えていた。

最後に見たあれは蟲‥…

なおかつ遠くから首を閉めることのできるものとなるとあれしかいない。

確信はないが、種がわかれば対策はできる。

そう考えながらリポップ場所を蟲の森に設定した。


(いた‥…‥…)


森に入ってから少ししたところで休んでいたのでリポップ場所とは少し距離が離れており

獲物が消え辺りを物色するそいつの姿がはっきりと視認できる。

赤い6つの目を光らせた膝くらいの高さの蜘蛛。

名称は解らないが、巣を作らない徘徊性の奴だろう。

蜘蛛の同行を探りつつステータスを開き対策を練ることにした。


ネイ  称号 最短死亡記録

種族 夜魔lv2 職業

スキル 夜魔術1 下級闇魔法1 日光耐性1 痛覚耐性1 ダッシュ1 


使えそうなのは夜魔術と下級闇魔法かな

二つに触れ詳細を確認する。


夜魔術 種族特有魔術の一つ。潜む事と欺く事に特化している。

Lv1 ハイド 闇に紛れ移動できる。

次の術はlv3で習得


下級闇魔法 相手の体調を崩したり気を壊す事に特化した魔法。下級なので威力は想像通り微細なもの

Lv1 ポイズン 微量の毒を与える。

次の術はlv3で習得


‥…‥…攻撃的な物ではなかったがハイドは有効的そうだ。

今は一旦復讐を諦めよう。殴って倒せるかわかんないし

とりあえずハイドを使い安全な場所を探すことにした。

蜘蛛め、絶対次にあったら倒してやる‥…


-----


至るところに蟲蟲蟲‥…

さすが蟲の森と呼ばれるだけある。

森の探索をしてわかったのは決してスキルが有能出はないと言うことだ。

ハイドを常時発動させ闇に紛れてるんだから安心だよねと鼻歌まじりに歩いていたら後ろからおもっきり首を刈られた。

でっかいカマキリに。

ハイド発動中に躓いて木におもいっきり頭をぶつけ蜂の巣を落としてしまい

全身刺されてショック死なんてのもあった。

ハイドは基本視認し辛くなる程度の認識に固まった。

そして次にポイズン。

これが又使えない子で‥…

弱そうな芋虫を発見し倒してみよう!ポイズン!って感じだったが芋虫には一切聞かず逆に毒を浴びて死にました。

基本この森の蟲達は毒を各自持っているらしく

耐性がありそうで効いてないだけかもしれないが森から出れない俺には検証する余地はない。

息を殺し気配と感情を捨て空気で移動していたついさっき

面白い所を発見した。

木々で覆われ光が届かない筈なのに光輝く泉。

近づいただけで浄化されそうなのでリポップエリアとして登録だけして近づきませんでした。

まぁ、次死んだら挑戦してみよう。

そう思いながら進んでいると遂に森の端に到着。

外は少し光が落ち夜がやってこようとしていた。

あぁ素晴らしい。

溢れる高揚感に身を任せ草原へと出ると新エリアに入りましたの音声が

まだ日の光があるので少し肌が焼けてきたので森へ戻ろうとしたとき。


「グギギグ?!」


音が聴こえたかと思うと眉間を何かに撃ち抜かれ落下していく。

何度も体感した死の際見たのは

お馴染みの最弱モンスターゴブリンの姿だった。

おのれ、この恨みいつか必ず‥…

毎回倒される度こんなことをいっていたら遂に新しいスキルを習得した。


呪術 対象をのろい死を与える術。恨みが強いほどその威力は上がる。

Lv1 不幸の(まじな)い 何かしらのバットステータスや不運な事故を起こす。 度合いはlvと恨みによって変わる。


たった今覚えたのが悔やまれる逸品だ。

ともあれ、死んでしまったのであそこにいってみよう。

さっきの泉だ。


・始まりの草原

・蟲の森

・森の神聖な泉

・ゴブリン平原

・キャラクターリメイク


‥…名前に神聖とある時点でもう降参ものだが俺にはこの必殺技死戻りがある。

もう何回も死んでいるせいで痛覚耐性のレベルが上がりそこまで痛みはないので楽に逝ける。

さぁ、今回はどんな死に方になるだろうか‥…


ーーー森の神聖な泉


その場所は正に俺の天敵とも言える場所だった。

一歩踏み出すほどに意識が分解されるような不思議な感覚。

だけど足を動かすのをやめない。

絶対に泉へ

その一心で何とか泉の縁へと到達した。

そしてお望みのものを見れて俺は安堵した。

体の方は確認できていたのだが顔つきだけはまだ見れていなかったのだ。

しかしこれで確信した。

俺は美少女へと姿を変えていたのだ。

‥…少し訂正。

美少女の顔をした無性の生き物へと姿を変えていたのだ。

確認もすんだことだし、泉から離れようとしたときだった。


「ちょっと待ちなさい夜の眷属さん」


泉から声が聴こえたかと思うと、現れたのは半透明の透け透けナイスボディーのお姉さん

お姉さんは沸き上がる水の上に佇んでいる。


「こんな所にまで来るなんてあなたの目的はこれでしょ?」


そういって泉から競り上がってくるのは金色に光輝く神々しい剣


「ふふふ‥…素晴らしいでしょ?魔王を殺すために私が守護してるこの聖剣。これは、まだ見ぬ私の勇者様の剣なの♪」


なにこの危ない女‥…勝手に喋りだして

ここは‥…


「逃がさないわよ?」


回りの地面が揺れ、何本もの水柱が退路を塞ぐ。


「これは聖剣、使い手ではない精霊の私が振るったって貴女みたいな底辺は浄化できるのよ。強い仲間を呼ばれる前に浄化してあげる♪」


ぴしゃんっと水しぶきの音が聴こえたかと思うと、俺の体は剣によって貫かれ穴が開いていた。

どくどくと空気が触れるようになった内臓から血が溢れる。

今度は出血死か‥…と思いながら

何ともこっちの言い分を言い分を一切聞いてくれなかった女に腹が立ち悪あがきを思い付いた。


「‥…ポイズン」


「ふふっ?それが抵抗?そんなの簡単に浄化できるわ♪もう、消えなさい。」


そういって泉の精霊は水を俺へと叩きつけてきた。

とどめは剣じゃないのかよ

意識が消える直前。


(あの、精霊に最大の不幸を‥…)


覚えたての呪術を唱える。

ーー呪術の特殊条件が発動しました

ーー不幸の呪いを死際の呪いへと変更しました。

いい具合に噛み合ったのか、いい痛手となればいいのだが‥…

そう思いながら意識は虚空へと消えていった。




 


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