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◇10 鍋+友人+女子会
『親交を深めるには鍋、といいまして』
「生きてきて初めて聞きましたがそんな事」連絡手段はいつの間にか、メールからチャットツールに移行していた。
『住んでいる場所が遠いのですが、今度一緒に鍋でも突きませんか』高磯さん、意外にも乗り気。
「ちなみに何処住まいですか、出版事務所の名前とかは書いてましたけど」
『中部地方です』
「県外ですかよ」都会ではないものの、関東住まいにとって中部地方はやや遠い。
『多少の雨と雪と夏の暑さに耐えれれば住みやすい場所ですよ』
「その御方は東北地方の人なんですけど」
しばらく考え、2週間後は共に予定が開いていることを確認する。
『私の友人も連れてきて大丈夫ですか? 烏丸さんももしよければご友人でも』
「積極的ですね……妹連れてきて良いですか」妹は暇しているハズ、と多分決まっていない人物の予定を勝手に決めておく。
『小説、持ってきて下さいね?』
「高磯さんのを書店で読んでおきますので、多分筆は進まないですけど」
連絡を終了させて気がつく。
古谷のプレゼントが未だに決まっていない。




