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タイトルは「小説の書き方」  作者: ドライパイン
6 街へ行こうよ小説家の2人
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◆9 刺客の視覚は死角から

 同日昼、ファストフード店にて。ここで大丈夫なんですかと尋ねる古谷だったが、ある程度人がいる方が都合がいいのでと辰巳は答える。今ひとつ理由が掴めなかったが。古谷がチラリと辰巳の鞄を見ると、服でも入っているかのように膨れているのが見て取れた。今は普通の社会人スーツとも言える服装をしているが。

「それで、古谷修一くん」

「どうして僕の名前を知っているんです?」古谷は虚を突かれたような顔をする。

「勿論知ってるさ、高磯香波さんと一緒に話をしていた時から君を追っている」ニヤリと笑う辰巳。

「高磯の知りあいか誰かですか」古谷の口調は丁寧なものの、怪しさ満載の辰巳に警戒心を隠せない。

「訳ありでね、重ね重ねの非礼を許していただきたい」にこやかに言ってのけるが、そんな事で古谷は懐柔されない。

「ならばさっさと用事の内容でも言ったらどうです、単なる取材では無いですよね」段々と不躾ぶしつけになりつつ有る古谷の声色。

「ならば単刀直入に、高磯さんの提案を受け入れてくれますか?」

「……無いとは思うけど、高磯から手回しでも受けてるのか」遂に丁寧語は外れてしまった。

「いや、高磯さんとは無関係です。しかし彼女を助けるために、君の助力が必要なんです」

 しばらく辰巳をにらむように見つめ、古谷は考えこむ。

「正直な話、辰巳さんの言っている提案が分からない」烏丸、という苗字が偶然にも古谷の友人と一致していたため下の名前に『さん』をつけることになる。

「俺自身にも全貌は分からないんですよ、だからこそ無条件で呑んでもらう他ない。こちらから出せるカードは無いですから」

「辰巳さんの所属している団体が、高磯に害を加えるんじゃないのか」

「それは決してありません、彼女は『目標』では無いですから」

「いきなり出会った人物、しかも自分の後ろをストーキングしていた奴を信じろと?」

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