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タイトルは「小説の書き方」  作者: ドライパイン
1 小説を書き始める2人
8/191

6小説の動機(古谷)

「古谷さんはですね」

「うん?」

「自分の書いた小説が本になった時どう感じました?」

「ふむ」暫しの沈黙。考えこむ間、古谷は手元のコーヒーに口をつける。苦味に思わず顔が歪んでしまった。

「上手く表現は出来ていないと思うけど、むず痒さみたいなものはあったかもしれない」

「むず痒さ、ですか」噛み砕くように、烏丸は一拍置く。

「僕は書くことが動機だったよ。だけど出来ればそれが人に知られるのはあまり良い気がしなくて」

「書くことは悪いことなんでしょうか」

「当時の僕にとってはそうだったかも。ただ人目に触れると案外評価されて不思議な感覚だった」

「……評価されない作品はやっぱり駄目な小説なんでしょうか」

「評価、っていうと良し悪しに関わるように聞こえるけどさ。実際は理解されるかに関わってると思う」

「理解されるかどうか?」難解な話になったと、烏丸はやや頭を傾げる。

「相手の考えが理解できないからといって、相手が良くないとは決めれないよ」

「……私には良く分かりません」

「自分から振っておいて悪いけど、自分も良く分からないや」

「えー」不平の言葉と共に烏丸は大口を開けてしまった。

「でもさ、動機なんて適当でいいんだよきっと」手をひらひらさせ、古谷は誤魔化す。

 再び沈黙。



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