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タイトルは「小説の書き方」  作者: ドライパイン
1 小説を書き始める2人
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5.小説の動機

「前にさ、『自分の小説が本として並ぶのが見たい』って言ってたよね」烏丸の長編についての話の最中、古谷は疑問を口にした。

「一字一句あってるかは分かりませんが、そういう意図の発言はしましたよ」

「じゃあ、君が『小説』を書く理由って何だい?」

「……少し難しいですね」俯き加減に、どこか目線を逸らして返答する。

「難しいのかな?」あまり気にせずに、古谷は問いかけた。

「元々古谷さんに相談する直前に小説を書こうと思い立ったので」

「なんでまた僕に」やや驚きながら言う。

「……それも自分では良くわからないですね、話しているのは古谷さんだけですし」やや喋る速度は遅く、考えこみながら発言しているようだった。

「何故かいきなり責任重大になってきてる」ぼやくように呟く古谷。

「責任なんて大丈夫です、なにせ動機は酷く不純なんですから」

「僕の小説だって動機は不純だよ」間髪入れず重ねる古谷。

「そうですか……えっ」思わず烏丸は驚きが口に出てしまった。

「何さ?」

「古谷さん小説書かれてるんですか!?」

 烏丸が身を乗り出してくるように迫ってきたため、反射的に古谷は目を見開き顔を引いてしまう。

「どんな小説です、タイトルは! 本になって書店に並んでるんですよね?」怒涛の勢いで烏丸が詰問する。下手にWeb小説とか言ったら逆に調べられる、と悩み古谷は暫く返答できなかった。

「さぁ!白状してください!」

 何を急に乗り気なんだ、と呟く古谷。

「……いや、高校の時の文芸部の作品で小説を書いて部内で文集にしてさ」

「まだ残ってるんですよね!」

「いや、多分燃やした」証拠隠滅を図る古谷。

「えぇ……」と崩れ落ちるかのように烏丸はうなだれる。

「何でそんなに残念そうな顔なんだよ」

「多分黒歴史だろうし読んでみたいかなって」烏丸は笑顔で言ってのけた。

「黒いのはアンタだよ!腹の中真っ黒だよ!」

「嘘はついてないですよね?」

「ついてないよ……逆にどう確かめるのさ」

「汗を舐めて」

「アリーヴェデルチさせて頂きます」素早く席を立つ古谷を必死で烏丸は止めた。

「ゴメンナサイ待って下さいせめて割り勘に」

「流石に自分のは払うわ!」


※続きます。

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