主人公補正
「酷い目にばっかり遭う主人公って有りますか?」
「発言だけ聞くと烏丸サンがえらく外道に聞こえるんだけど」ココアに砂糖を注いでいく古谷。
「誰が外道ですか〆ますよ」
「やっぱり外道じゃないかよ」叔父が大変な目にあってるところを、古谷は何度か目にしている。自業自得な面もあるが。
「主人公が酷い目にあってその状況をどうにかする、っていうのも動機の発生ですよね」
「主人公補正とはちょっと違うかもな」
「行く先々で事件が起こらなかったり、胸に入っていたお守りで拳銃の弾が止まらなかったり、空から女の子が落ちてこなかったりですか」
「一般人の生活についての小説を誰がわざわざ見るのさ……」
「でもよくある小説の書き出しはこうですよ、『俺は至って普通の男子高校生だ』」
「自分のことをわざわざ『至って普通の』とかつける変人がいるか!」
「ヒロインに付きまとわれて『やめてくれ、俺は普通に生活したいだけなんだ』とか」
「ザッケンナコラー、その定位置俺と変われやこんちくしょう」
「実は種族的に人間を超えていたり」
「お前『普通の高校生』じゃなかったのかよ!?」
「友人の男子が何故か主人公の女性関係に詳しい」ときメモもプレイする烏丸。
「その発言だと友人がヤバイポジションに居るんだけど、あと主人公の話じゃねえ」パワポケのBADが辛い古谷。