異世界とは一体…うごご
「同じように『異世界』ものも同サイトでは流行りですね」2杯目を頼む烏丸、今度は無糖コーヒーだ。
「剣と魔法の世界は指輪物語やハリポタだったり、有名ジャンルではある」2杯目はココアを頼む古谷。
「一口に異世界と言っても、どんな異世界か言えないんですよね」
「結構ドラクエみたいに村が各地にあって、竜とかの魔物が溢れて、ってのが安定した世界観」
「スライムがいつの間にか弱小種族になってたんですが、普通スライムって強いですよ」
「だってガッチガチに固めたパーティーがスライムの酸でやられて壊滅って格好悪いだろ……」
強酸の影響で武器が傷つくため、スライムを恐れる冒険者も多かったそうな。
かの「しんのゆうしゃ」もスライムに溶かされて死神に出会うそうな。
「もしも転移した先の異世界が科学的に進んでいる世界だったらどうなります?」
「……主人公が活躍する場面があんまりにも思いつかなかった」暫く考えこむも、古谷にはお手上げだった。
「私も思いつきませんでした」
「答えのない問題を出すなよ……!」
「数学での"偽"の証明です、古谷さんも理系なんだから解きますよね?」
「理系に対する風評被害はやめてくれ、だいたい僕は工学部だからそういうのは数学科に任せるんだ」
「その発言こそ数学科に対する風評被害ですよ、そんなに不可思議なんですか彼らは」
「この間友人からメールで『フィボナッチ数列ってカッコイイよな』って来たんだよ、あいつらノイマンか何かかよ」
「ノイマンとオルクスは一人パーティーに欲しいところですね」友人とプレイしたものの敵を強くしすぎた烏丸。
「僕はTRPGの話をしているんじゃなくてだな」古谷は以前勧められて、結局ルールブックを買っている。




