テンプレ展開
「よく有る小説の批判として『ありきたりな展開』というものが有る」流石に今日は普通にジュースを飲む古谷。
「テンプレ展開と言われるタイプの物語ですね、でも逆に『王道展開』って言われるときは良い意味合いですよ」
「逆に言ってしまえばお約束事を裏切り続けても面白いものになるとは言えないわけだ」
「今ひとつ、私はそこの違いを明確に言うことが出来ないんですよね」烏丸は、というと紅茶であった。
「結果でどんでん返しをすると辛いから、過程で意外性を出すと良いんだとさ」
「昔のドラエモンの理屈みたいですね、セワシの存在は消えないけど途中ののび太の結婚相手は変わったり」
「タイムマシンで矛盾した話もあるけどアレは1話完結だから細かいことは良いんだ、重要じゃない」
「のび太君が消えかける話も有りましたし、タイムパトロールの存在的に時間犯罪は起こってますよね」
「ミニドラ作成の経緯が、ドラえもんが犯罪者を確保したからだったし」
「……会話、脱線してません?」ちなみに2人共ドラエもんは世代ではないものの読んでいる。
「……細かいことは良いんだよ」
「虚勢張らないでくださいな、うちの叔父みたいに」
「主人公が悪役を倒すのはテンプレ展開、でもその最中にヒロインが自分の意思で悪役側についたら意外性が出たりするんじゃないか」
「それ、主人公が闇堕ちするフラグじゃないですか?」
「ベタに『洗脳されてましたー』だと普通だしさ」
「説得するために何十話と続けてしまって、いつの間にか空気ヒロインになるのがオチですよ」
「空気ヒロインならまだいい、ゲロインとかいう単語もある」
「ドン引きですよ、それ知ってる古谷さんに」
「知りたくて知ったんじゃ無いわ!」




