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タイトルは「小説の書き方」  作者: ドライパイン
5 小説、中断
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9 電話、漫画

翌日、烏丸は叔父に電話を掛けた。

「叔父さん、面白い漫画って何ですか」

「出がけにどうしたのミカちゃん」

「ミカちゃんとか言わないで下さい締め上げますよ」

「待ってよ、最近書店でもミカちゃんの権威が強くて僕の立場が無いんだけど」

「2回言いましたね、今度バイトに行く時に2回締め上げます」

「随分バイオレンスだねミカちゃん!?」

「……」電話口で押し黙る烏丸。

「ごめんって、そんなに嫌なのかい」

「叔父さんが、古谷くんとの『枕探し連合』をやめること。あと、時々店でやる『ちょいワルスタイル』をやめてくれたら考えてあげます」

「最近おニューのサングラス買ったし、コーヒーにも慣れたし今更無理だよ」

「ちょいワルになるって決めてからコーヒーを飲み始めるのがおかしいんですよ!」

「じゃあミカちゃん呼びは止めておくよ」

「2度あることはサンドバッグですね、覚えておきます」

「あ、うん、どうして電話してきたの」慌てたように本題に戻す叔父。

「面白い漫画を教えて欲しいんですよ」これも2度めですよ、と軽く言う。脅しのつもりは烏丸には無いが、叔父には十分効いてしまった。

「ええと、ええと」電話口ですら見える慌てぶりを、烏丸は幻視した。

「ジャンルみたいなものは有るの?」

「長いストーリーものは厳しいかと、続き物でも軽く読めれば大丈夫です」

「ちょっと待って」と言い保留の音楽を鳴らす叔父。「そよ風の誘惑」を聞きながら、漫画の類をこれまであまり読んでいなかったなと烏丸は考える。週刊誌を買うよりも、そのお金を貯めてからゲームを買うような学生生活を送ってきたためだろうな、と自己完結。

「趣味じゃあ無いかもしれないけど」と保留を切ってから言い出す叔父。

「『ジョジョ』だったり『ブラックジャック』だったり『ドラベース』の本が手元に有る」

「グロもあるよ、っていう配慮助かります。だけど私は別に大丈夫ですよ」

「全部読んだこと無いのかい?」

「漫画の類はあんまり普段から読まないので」

「オーケイ、在庫はキープしておくよ」

「あら、無料ですか?」

「社員割だよミカちゃん」ケラケラと笑いながら叔父は答えた。

「わかりましたよ4回ですね完全に記録しましたので」と言いつつメモ用紙に書き込む烏丸。小説執筆を志してから、メモ帳を持つことも習慣と化していた。

「怖いよ、じゃあ何て呼べばいいのさ!」

「『烏丸副店長』ですね」

「仮にも僕は店長だよ!?」


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