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タイトルは「小説の書き方」  作者: ドライパイン
A 喫茶店にて二人は語る
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2 ウインナコーヒー、コーヒー抜き

「『ウインナコーヒー、コーヒー抜き』ってどこかの怪盗のモノマネですか、さっきの注文は」クリームのみの注文に未だに納得がいかない烏丸。思えば今日会おうと決めた喫茶店は古谷が決めた場所だった。常連であればこのようなジョークにも乗ってくれるのだろう、と烏丸が納得しかける。

「まぁ、待ってなさいな。僕は甘党なんで」気合が切れたかのようにテーブルに伏す古谷。普段から無気力そうに人から見られる所があるが、こうなったら梃子でも動かないし動いてやらないという自負が古谷にはあった。じっと見つめる烏丸。動かない古谷。

「私のポケットの中にはビスケットが1つあります」

「わかった話そう」ノータイムでガバっと起き上がる古谷。

「何で今の交渉条件で釣れたんですか」かなり冷ややかな目で烏丸が見つめる。

「ご注文の品をお持ちしました」といって店長がやってきた。

烏丸が今気づいた事だったが、この店長は何というか大柄だ。太っていると言うよりサングラス掛けてSPスーツ来たら完全にどこかのエージェントだ、アメフトやらせたらスクラム組んで凄いタックルを仕掛けそうだ。今更ながらあんまりにも恐ろしく見える店長の人相に烏丸は若干動揺していた。

古谷が指定した店はそんなに大きくなく個人経営の店で、店員も今見えるのはマスターであろう人、つまり今注文を持ってきた人だけである。コーヒーを覗いて烏丸は度肝を抜く。コーヒーカップには可能な限りのクリームが詰め込まれていた。隣にはなぜか白湯。

「なんなんですかこれ!」すっとんきょうな声を上げてしまった烏丸。

「ウインナコーヒーだよ」クリームを口に含み、軽く白湯を飲む。クリームを溶かすのが美味しいんだ、と独り言つ古谷に烏丸は意外性すら感じていた。

「見ているだけで胃もたれしそうなんですけど」注文したアメリカンコーヒーにミルクを注ぎながらぼやく烏丸であった。


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