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タイトルは「小説の書き方」  作者: ドライパイン
3 烏丸と祖父
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F 烏丸高校生と彼女の登場

 祖父の書いていた小説はいわゆる冒険ものであった。主人公のスタンスは純粋に戦って楽しむ、というスタンスそのものであったが時折出てくる敵味方のキャラクターの特徴に所々烏丸はデジャヴを感じていた。例えばバリツを扱う名探偵。鞭を扱う吸血鬼ハンター。手から炎が出る配管工はもちろんのこと未来のタヌキ型ロボットや顔がパンな彼も現れ戦い合っていた。しかも何故か素手で。

「いや、でも何で死線が見える高校生がいるんだ……?」

 書いている日付と祖父の年齢を照らし合わせると、相当な年齢で元ネタであるキャラクターを知ったことになる。そこを何度も気にすると疲れる、という事を烏丸は本能的に察した。

――

「もうそろそろ、いいかな」

 夜もふけて、一日では読みきれないだろうからそろそろ回収を止めようかと考えた頃。

 ちょうどそれは烏丸が生まれた数日後に書かれたページであった。

『悪逆無道の大臣の元、送り込まれてきた刺客たちに龍一は苦戦する。顔に受けた傷のせいで目の前の敵すら見えず、肩口に受けた毒矢の影響で肝心の腕は動かない。足に受けた打撲痕の数々は、それ以上彼が一歩も動けないことを示していた!絶体絶命、龍一はここで倒れるのか!

「そこまでだよ!」

 鋭い声とともに無数の弾が飛び交い、龍一を守るように弾が爆発する!周囲にいた無数の刺客達は爆発により吹き飛ばされ、龍一の周囲は一瞬空白になった。』

 バトルものは普段読まないから面白く感じるなぁと展開に反してのんびり読み進める烏丸、その目は次の瞬間見開かれた。

『この弾丸は、鳥井 水果 の物だ!』

「実孫を小説に出してんじゃないよ!」亡き祖父に思いのこもったツッコミ。色々と恥ずかしいわ、と心のなかでツッコミを重ねる烏丸であった。

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