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タイトルは「小説の書き方」  作者: ドライパイン
後書きに添えて
189/191

それぞれのあとがき 2

「一時はどうなるかと思ったけど。私の首の皮は繋がったわ」

 今日も喫茶店の中には客が1人しか居ない。仕事のない衣川と卯島は必然的に駄弁る事になった。

「編集者として仕事継続ですか、元の職場に戻りたいとか言うと思ったんですが」左大臣衣川、今日も無表情。仏頂面なのは面倒な相手だったので、という理由ではない。

「それもあるんだけど、個人的に同じ職場の人が辞めるのは嫌じゃない」

「……同じ職場?」怪訝な顔をして店長が尋ねる。

「毎週近くコラム送ってもらってるから実質同じ職場みたいなものじゃん、何故か編集長は古谷君の家に行って茶の湯道具を借りたりしてるし」

「多趣味ですね、彼」甥ながらその多芸さに店長は驚く。自転車サークルに参加していたという話も聞いたことがあるが、彼の時間の内休憩時間は幾らなのだろうと尋ねてみたいと思った。

「喫茶店のインテリアに凝るのも良いんじゃない、このままだと殺風景で偶に来た客も寄り付かないわよ」

「……検討します」目を瞑って豆を挽く。時々来る客がこうも喋りたがりだと大変だ、と店長は思う。

「あ、私コーヒー1杯でこれから数時間粘る予定なんで宜しく」

「記事か何かでも書くんですか」

「古谷君が刺された、というか切られたでしょ? その犯人が捕まったはずなのに逃走してて。その事に関する記事」

「……警察に引き渡したと烏丸さんの叔父が言っていましたが」

「それが謎なのよねー。犯人の名前も、逮捕された事実もいつの間にか無くなってたのよ、これは間違いなく社会の闇。と言う事で記事書くから」そういうと鞄の中から大量の書類を取り出しカウンター席全面に広げる卯島。

 心の中で衣川は溜息をついた。


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