表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
タイトルは「小説の書き方」  作者: ドライパイン
3 烏丸と祖父
18/191

B 烏丸店員の祖父について

 烏丸には、彼女の祖父との記憶が無い。

物心がつく3歳4歳の頃から、祖父が亡くなるまで祖父と両親が仕事の都合で別のところで暮らしていたためだ。いわゆる核家族である。彼女の友人との会話でふと思い出すほど祖父と繋がりは無かったと言っていい。何故思い出したのか良く分からない。


 友人との会話から次の土曜日、烏丸は祖母の家を訪れた。祖母自身は両親と暮らすようになったために祖父の家は広い物置となっている。二畳ほどの庭では、かつて祖父が野菜の類を植えていたと聞いたが今は長い雑草が生い茂っている。


 2階建てのうち1階にはもう物がない。祖母が必要なものと軽い思い出の品は既に運ばれ、大半の家財道具は処分してしまったと聞いた。物が残っているのは2階、祖父の書斎と二人の寝室である。寝室の布団の類も残されてはなく実質的に彼女がモノ探しをするのは書斎であった。


「さて、これはどうしたものでしょうかね」と思わずこぼしてしまうほど、書斎はゴミ屋敷のようであった。正確に言えば、紙屋敷。

よく臭いの類がしなかったものである。祖父は結構だらしない性格だったのだろうか、と思わず邪推する。祖母からも祖父の話はあまり聞いたことがないため、床一面に広がる黄色がかった紙たちは烏丸には衝撃的であった。


 しかし、彼女をより驚かすものは別にあったのだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ