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タイトルは「小説の書き方」  作者: ドライパイン
3 烏丸と祖父
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A 烏丸店員の来歴

 烏丸水果は書店員である。


 正確に言えば大学生になり下宿暮らしを開始した頃から勤続しているアルバイトということになる。大学の単位を殆ど所得し通学の必要がほぼ無くなってからは書店で働くことが多くなっている。実質的には彼女が副店長のようなポジションに現在落ち着いている。


 書店を経営しているから、アルバイトでもいいから勤めてくれないかとの叔父の要望は高校3年の時に烏丸に伝えられた。そもそも叔父の書店の近くの大学に入学出来るかどうかも分からないのに気が早いと思ったものの、書店の仕事というのはどうも彼女には退屈に聞こえた。


 古く寂れ、シャッターが閉ざされたまま開くことのない店が増えてきた商店街を親戚づき合いの頃からみていた為だろう。どうせ働くのであれば仕事量が充分にあるような場所が良いだろうと話を聞いた時は思い、多分返答も「うん、考えておくね」程度のものであった。


 彼女が本に興味を持つようになったのは、仕事の話があった数カ月後である。

クラスメイトとの会話がきっかけであった。


「中学校の頃は総合なんて授業もあったよね、今じゃ普通の授業ばっかりで疲れるわ」


「総合が有れば休めるというものではないと思いますけど」


「優等生だねぇ烏丸は。『祖父と祖母の歴史を調べる』授業なんて休憩のようなものじゃない」


「それはどちらかと言うと学活のほうでは……」


 会話をしつつ、ふと烏丸は考える。自分の祖父はどのような人であっただろうか、と。

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