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タイトルは「小説の書き方」  作者: ドライパイン
8 ワイドゥ・イット
155/191

18 (輸入)*(経営)

「私がこの喫茶店を継ぐことになったのは数年前です」

「その前から何かしらの仕事に勤められていたんですか?」衣川店長の正確な年齢を聞いたことは無いものの、彼はおよそ30代後半。数年前で大学卒と同時に継いだと考えるのは年齢が合わない。

「以前勤めていたのは輸入品の管理の仕事です、購買業務にあたるんでしょうけど」

「……身近に志望する人物がいないのでなんともコメントしにくいといいますか」

「同じリアクションを同級生に取られました」

「卯島さんですか?」

「あの人は笑ってました」烏丸もその話題についていくのはやめておいた。

「忙しい時は忙しくて暇な時は暇な部署でしたよ、私が勤めている時は」

「何故に辞められたんですか?」会話の流れからして聞くのが正しいのだろうが、問い詰めるような形になり内心申し訳なく思う烏丸。

「……自分の仕事が、無意味なものに思えてきたからですかね。会社の中で必死で仕事をしても結果として誰かが別にやれば良い仕事しかありませんでしたから」

「自分だけの、仕事がしたかったって辺りですか」

 まあ、そんなものですと衣川店長がかぶせる。

「烏丸さんは、職業に何を求める予定ですか」

「……どちらなんでしょう、多分どちらも必要なんじゃないですか」

 それも考え方の一つです、と肯定した上で衣川店長は続ける。

「私の選んだ道が正しいかは分かりません、そのまま勤め続けていれば安定していただろうなと思う日も有ります」

「でも、後悔しているって感じでは無さそうですね」

「だけど、私にとっては此方のほうが性に合います。数年やって、ようやく分かりかけている所です」

「……重々悩んでいこうかと思います。でも、そこまで悩んで選ぶことって出来るんですか?」

「どうだったでしょう、私自身も就活に必死だったもので」普段余り笑わない衣川店長だが、この時は苦笑いを浮かべた。


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