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タイトルは「小説の書き方」  作者: ドライパイン
2 書き始めは唐突に
15/191

5 テーマさま、仮決定

「というわけで、私のメインテーマは『渋谷の妖怪と田舎の超能力者』に決定しました」

「サイキッカーってm○therシリーズか」

「すばらしきこのせかいの方です」

「ゲーマー否定しておいてそのゲームをわざわざ出すのはおかしいだろ」

「ちなみに今のは嘘のテーマ」

「おどりゃクソッタレ」再び広島弁。古谷の出身は別に中国地方ではない。

「この調子じゃプロット作成は遠いですね」

「これだけぶっとんでいるなら、かえって気が楽なんじゃない?」

「確かにストーリーラインは苦戦可能性がありますけど、ネタの弾薬は十分です!」誇らしげにノートを胸に構えた。……胸?

「多すぎて探し当てるのに苦労するパターンだよなそれ」色々と古谷は見ないことにした。

――――

「私の話ばっかりになってしまって申し訳ないんですが、古谷さんの方は大丈夫ですか?」

「さんざん振り回しておいて今更申し訳ないはどうよ」呆れ顔の古谷。今日のツッコミ回数は先週の他の人へのツッコミ回数に匹敵すると考えていた。

「問題ないさ、プロットまで考えてる……けどもう一回練り直してこようか考え中」

「今から怖気づくのは無しですよ?」挑発を仕掛ける烏丸。

「違うやい今から出しても何の悔いもないやい」挑発に安々乗る古谷。

 ただ、とつぶやくように古谷は続ける。

「どうもこんなに書いてくるほど真剣だとは思わなくってさ」

 枕のノートに視線を持っていく。

「はじめの方だけ、って言ったノートも案外書いてて。正直そんなに頑張っているなんて思わなかった、僕の気持ちはついていってなかったかもしれない」

 人の手を普段見ない古谷も、気になって烏丸の右手を見る。ペンだこはハッキリ見て取れた。

「ごめんな」ややバツが悪そうに顔をそむけつつ古谷は謝る。

「謝るのは道理じゃないです、私は古谷さんのペースが乱れるのを見て楽しんでますから」

「さっきの謝罪を返せ」

 面倒くさそうに目を細めて、古谷は温めになったエスプレッソを喉に流し込む。

――あまりの苦さに古谷はむせた。烏丸は再び笑う。

「エスプレッソなんて気取って注文するんじゃなかった」

「甘ーい一時をお届けする、キャラメルソースヘーゼルナッツシロップチョコレートチップエクストラホイップのエスプレッソショット1杯を追加したホワイトチョコレートフラペチーノのグランデ、今度注文しますか?」凄い早口、烏丸。

「……え、あれを覚えてるの?」思わず古谷は目を見開いた。



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