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タイトルは「小説の書き方」  作者: ドライパイン
8 ワイドゥ・イット
145/191

8 (キッカケ)*(変更)

「報道で色々あった後は文芸欄に入ったんだけど、そこはそこで仕事が少なくてね」

「楽になったんですか?」

「楽っていうか、内容が少し軽いものになったというか。暗い事件を追うことが多かったの」

「……」卯島の扱っていた記事を、決して烏丸は知らない。だが、語り口を聞くに相応の物だったのだろうと推測した。

「移った先は移った先で閑職だったのよね、異動で入った時はこんな所で仕事をするつもりは無かったのにって悩んでた」

「学生時代自分で出版するまで行った分、満足出来なかったんでしょうね」

「回りも皆、変な話窓際族だったのよね。だからこれで良いのかなっていう気持ちも少しあった」

「……追い出し部屋って違法じゃないですか」就活生として知っている事実。

「違法って言われても現実行われてる事なんていくらでも有るわよ、新社会人」微かに笑みを浮かべながら答える卯島。

「サビ残なんて当たり前ですよねぇ……」やっぱりか、と言う風に烏丸はため息をつく。

「でもね、移った先の方が読者からの反響がよく届いたのよ。川柳の募集が有れば沢山応募が届くし、インタビューで作家さんの話を聞くのも楽しいし」

「何が天職か、分からないですね。だけど羨ましいと思います」

「そうね、私は今の仕事が私にとって楽しいからやってる。……水果ちゃんは就きたい仕事とか確定してる?」

「……情けない話、まだはっきりしてないんです」烏丸は就活の応募はしているものの、職種も業界もハッキリ決めていない。周囲には進路を確実に決めているような人物が入る分、自分の立場を申し訳なく思うことが有る。

「それでいいと思うわよ、入れたとこで見つければいいんだから」しかし、卯島はというと肯定してきた。

「最終的には勤めたもの勝ちなんだから、柔軟に対応するのも大事よ」

「柔軟、ですか。優柔不断と言われることも有りますけど」

「言葉の言い換えに過ぎないわ、どっちが正しいかなんて分からないでしょ?」


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