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タイトルは「小説の書き方」  作者: ドライパイン
8 ワイドゥ・イット
144/191

7 (趣味)*(労働)

「そんな過酷な新聞社になんで入られたんでしょう」

「入る前はこういう状態って知らなかったし……いや、そういうことじゃないよね」

「志望動機的な意味合いで。最近良く聞かれますから」就活生である烏丸。彼女の学部の友人にも、化学メーカーに勤めようと考えている人がいる。

「私自身、昔っから新聞で色々書いてたのよ」

「学級新聞とか、壁新聞ですか?」

「どちらかと言うとビラ配りかな、高校だと白いA4の紙に、流行った遊びや噂話を書いて印刷して」

「学校非公認ですか……」衣川店長の反応からして、面倒臭く思う人は面倒臭かったんだろうなと感じる烏丸。

「先生に取り上げられたりして焚書されたのは凹んだなぁ、その先生ヅラだったのよ」

「私怨じゃないですかそれ、というか焚書て」

「そんな感じで、新聞作って配るのが単純に楽しかったの。だから色んな情報を集めてもっと読者が増えれば楽しいかなって」

「でも、好き勝手書いてるわけではないですよね」

「そこで悩んだのよねー、情報を羅列するんじゃだめだって言われて。伝えたいことがハッキリしない、主張は1つにしろって相当上司に絞られて」

「……今のデスクさんでは無いですよね」

「そのときの上司、今は多分報道の鬼をやってる」

「相当凹んで、どうやって立ち直っていったんです?」

「……読者欄、かなぁ」やや考えこみ答える卯島。意図を図りかね、烏丸も沈黙を保つ。

「元々は報道だったのよ、しばらく思い悩んだ時期が続いてから文芸欄に移って」

「移ったのは卯島さんの方でしたか」

「上司と決してソリが合ってたわけでも無かったからねぇ」ヤレヤレと言いたげな笑いを浮かべて言う。

「移ってからの方が良かったんですか。でも今の部署は仕事しないんじゃ」

「……どっちが良かったのかしらね? 今のほうが楽しいのは事実よ」仕事は多いけど、と困ったように付け足す。

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