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タイトルは「小説の書き方」  作者: ドライパイン
8 ワイドゥ・イット
141/191

4 (店長)*(記者)

「貴方でしたか」カウンターで見た客を見るなり、衣川店長は思わず嫌そうに呟いた。

「一時的にこっちに引っ越しよ、それまで時間潰しする機会増えるから」一方の卯島はというと、ニコリと笑いかけながら。だが、烏丸にも分かるほどにその笑みは胡散臭い。

「回転率が物凄く悪化するので可能ならやめてもらいたいのですが」

「まず問題の顧客数を何とかしてから言って欲しいものね、1日の客の数合計してやっと店埋まるか埋まらないかじゃない」

「…………」返す言葉がないらしい衣川店長。

「店長、この店って広告してるんですか」流石にこの店の行く末が不安になった烏丸。

「隠れ家喫茶店のコンセプトのもと経営していますから」強がりか、そんな一言を言う店長。

「廃屋喫茶店の間違いと思うわ」卯島の発言は容赦無く衣川を店ごと切り捨てていった。

「……ご注文は何でしょうか?」罵倒に精一杯の無視を決め込んで衣川が急かす。どうにか彼女を帰したいのが何と無く烏丸にも伝わった。

「麦茶で」気に入った相手はトコトン振り回すタイプ、卯島。

「せめてコーヒーにしましょうよそこは」烏丸も、流石に店長が可哀想になってきた。

「畏まりました……」冷蔵庫から麦茶を取り出す衣川店長。最近買ったのか、まだ麦茶ポットにはシールが貼ってある。

「大概思うんですけど、この店の注文幅の広さはなんなんですか」かつてバームクーヘンを買わせた人物とはいえ、烏丸も疑問に思っていた。クリーム倍盛りどころかクリームのみも可能である。

「多分私が原因だわ、ゴメンネー」謝る気が微塵もないのが烏丸にも伝わるほど、笑顔で謝罪の言葉を口にする卯島。衣川店長が苦い思いで表情を崩しているのが烏丸にも伝わってきた。

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