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タイトルは「小説の書き方」  作者: ドライパイン
8 ワイドゥ・イット
138/191

1 (喫茶店)*(アルバイト)

「…………」

 女子会から数日後、具体的に言えば次の週の平日。烏丸は古谷の小説について考えつつ、衣川店長の喫茶店で紅茶ラテを飲んでいた。……何故かインスタント。衣川店長の家のキッチンにあったものである。

「今日は烏丸さん、だけですか」喫茶店主の衣川が問う。

「古谷君本人がどうも忙しいらしいんで」

「そうですか」

 互いに沈黙。よくよく考えると、初めて衣川店長と2人だけになったなと烏丸は思い出す。

「衣川店長、下の名前何ですか」そういえば聞いていなかったな、と聞いてみる烏丸。

「左京です」

「……珈琲屋なのにですか」突っ込んでいいものか分からなかったが烏丸は言っておく。

「昔お客に言われたので、紅茶も在庫に有りますが」先例が居たようだ。

 再び会話が途切れる。

「衣川店長、店長は何故珈琲屋を始めたんですか?」

「……話すと、長いのですが」暫く考えこむように腕を組む。衣川店長は大柄な方なので、初めて喫茶店の様子を窓から見たらデカイ男が仁王立ちして立っているかのように見えるだろう。そこもこの店が忙しくない理由なのかもしれない、と失礼なことを思う烏丸。

「烏丸さんはアルバイトはまだ可能、ですか」突如話しかけられ、烏丸の声がすこし跳ねる。

「えぇと、数日ぐらいなら可能ですよ?」就職活動中ではあるものの、時期的に烏丸の予定は偶然空いている。

「ちょっと裏に来てくれませんか、多分今日明日で終わります」促すようにして、衣川は店の奥のほうへ歩き出した。烏丸も後ろからついて行く。『STAFF ONLY』と書かれた白いプラスチックプレートの貼られたドアを開く衣川店長。その向こう側には下り階段。

「店の裏側って、何だか探検してるみたいでワクワクしますね」緊張感0な事を言い出す烏丸。

「昔スーパーで働いてた身としては、もう見飽きた感じが有ります」

「何年ほど前ですか?」

「3年ほど」

「あれ、じゃあこの店って3年前に出来たんですか?」店の内装は決して新しいわけではない。

「引き継ぎ、のようなものです」

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