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タイトルは「小説の書き方」  作者: ドライパイン
7 女四会、そんでもって女死会
135/191

36 上手に炊けました

三菜の手番。

「何……この……つくしんぼ……?」彼女の箸に引っ掛かったのは、土筆のように片側が半月型になっているうすだいだい色の物体。

「ああ、これはササクレヒトヨタケっていうキノコですよ! 見つけるのに苦労しました……」

「なかなか過激なの入れてきますね烏丸さん、まだ鍋の底に色々有るみたいですけど」高磯も何かを入れているのか、ほくそ笑むかのようにして笑いかける。

「ど、どんだけ材料詰め込んだのよあなた達はー!」上級者2人の会話を見てか、仲林は思わず叫んだ。

「ぬか漬け、なれ鮨、あとひき割り納豆に確かシオカラも……」

「香波ちゃんはなんでそんなに発酵食品を大量に入れてるの、しかも何でそれなのに鍋は脱臭されてるの」

「多分フランベの影響でニオイの類が完全に打ち消されてるんですよ、まさかそれを見越して」

「確か山に潜って見つけたのはオランダガラシ、ツリガネニンジン、ムラサキヤマドリタケ、ヤマブシタケ……」鍋の予定を聞きつけてから、烏丸は山菜とキノコを採りに山に登っていた。祖母からその時聞かされたのが、山菜の取り過ぎは翌年の生育に影響するので注意しろということ。

「鹿肉パックは今朝買えたけど、後は鶏の煮付けレーションと非常用乾燥野菜とか鞄にあるものだけかしら」

「三菜ちゃん、おおよそ女子中学生とは思えないものしか持ってないわね……」高磯が思わず突っ込む。

「私が入れたの、白菜とみかんだけだったんだけど全然みかんの味しない……」闇鍋に内心テンションが上がっていた仲林だったが、偶然に偶然が重なり普通の結果になったことに愕然とする。正確に言えば、ここまで整うとは思わなかったのでリアクションに困っている。

「みかん鍋って相当不味かった記憶があるんですけど、レーションとフランベで味がかき消されたのか」鍋だしを啜って烏丸が呟く。そうして、キチンと鍋の底が見えるまで女子4人の鍋会は続いていった。

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