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タイトルは「小説の書き方」  作者: ドライパイン
7 女四会、そんでもって女死会
134/191

35 赤パプリカ、ではなく

高磯の手番。まだ仲林に食べさせられたカレー粉の影響で口がヒリヒリするのか、コップに水を常備している。少し濁っている鍋から取り出したのは、緑色の葉っぱだった。葉脈が平行な、普段鍋で見るようなものではない葉っぱ。

「……これ何かしら、平行脈の葉っぱってあんまり食べないと思うけど」

「ああ、ソレは和菓子用の笹の葉ですよ。ちまきとかに包んである」答えたのは烏丸。

「胃袋4つぐらいないと消化出来ないと思うんですが」真っ先に食べたものがちゃんとしたものだったので、仲林はからから笑いつつ高磯を見る。

「まだまだ私の真骨頂は終わってないわよ」笹の葉をもしゃもしゃと咀嚼しながら、高磯が宣言する。

「ブランデーのフランベ以上が有るんですか!」三菜としては、少し楽しみである。


烏丸の手番。ここで仲林がある提案をする。

「視覚だったり嗅覚だったりを無くすと、味がよく分かるようになるとか」

「おっしゃ姉ちゃん行ってみよう」三菜が立ち上がり烏丸の目と耳を塞ぐ。食べさせるのはというと、高磯が菜箸を握っている。

「明らかに食べられないものとかやめてくださいね、三菜じゃないから毒キノコとかは消化できないですよ」急に慌てたように烏丸が言う。毒キノコ入れたのだろうか、と仲林は邪推する。

高磯が鍋から取り出したのは、赤い物体。パプリカのようだが、すこしそれにしては細い。

「…………」無言で、仲林は台所からコップを取って来た。高磯が戻ったタイミングで、烏丸の口に放りこむ。

「……ゴホッ、からっ、ウェッホ」烏丸が食べたのは、仲林が入れた唐辛子。勢い良く噛んでしまったのか、口中に辛さが広がり辛さを通り越し刺すような痛みが襲ってくる。

「あーほら水、水」仲林がとっさに水を渡す。

「……かめふぁかむふぉど、ゴクッ、からふぁふぁでふぇきふぇ」あんまり辛かったのか、目が思いっきり開いてものすごい形相になる烏丸。

「それ入れたの私ですが」仲林がケロリと言う。

「ふぉーう……」机に突っ伏す烏丸。


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