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タイトルは「小説の書き方」  作者: ドライパイン
7 女四会、そんでもって女死会
132/191

33 料理=芸術 芸術=爆発 すなわち

「まずコレをどうにか鍋に抑えないことには話が進まないのだけど」

仲林が見つめる先の鍋には、明らかに出汁に浸かっていない長いものがあった。緑色なので野菜ではないかと彼女は予想したが。

「あ、折って入れても大丈夫です」答えたのはなんと烏丸だった。

「折って、ってアレは一体なんなのさ姉ちゃん」

「まさかヤバイ食材持ち込む人とは思いませんでしたが」仲林が早くも頭を抱えている。

「さてその前に、出汁の本番の用意はしていいかしら」高磯が唐突に先陣を切る。片手にはチャッカマン。

「いざ点火」チャッカマンで、高磯が鍋の水表面部分に点火。

4人の目の前で火柱が立つ。天井が焦げ付く寸前で炎が上がり続けた。


座ったまま3人は炎の上がる様をじっと見ていた。

一人は目の前で火事が起こったのが信じられず、驚きの余り動けず。

一人はこの火力だと食材大丈夫かなぁとズレた心配をしながら。

一人は「先週の祖母との遠征でこんな火を見たなぁ」と呆けて。

「……ところで、これってどうやって止めれば良かったんだっけ」高磯がぽつりと口にする。

「火が勝手に止まるまで待つしかないかと。油とかに水を掛けると逆効果だし」烏丸が指摘。

「うん、このぐらいの火ならそのまま放って置いても鎮火するから大丈夫だよ」三菜はある意味精通者だった。

「フランベってそもそも味付け行為でしょ……」頭を抱えたまま床に転がる仲林。部屋の温度が少し上がったあたりで火は勝手に止まった。

「よしコレで完了、後は味付けね」何故か自信満々に菜箸を手に取り鍋を煮ようとする高磯。

仲林は無言で高磯の肩に手を置く。

「鍋の前に、少し食べないといけないものが有ると思うの」

ヒッという高磯のしゃくり上げたような悲鳴。しかし仲林の方が一手早く、あっという間に手を引っ張り玄関の向こう側へと連れてゆく。

「やめて、ごめんなさいあれは口が完全に麻痺するんでやめてください」同級生タメ相手に高磯は必死の敬語を使う。

「麻痺すれば焦げたもの食べても一緒だよね、というわけで特性ターメリックパウダー行ってみよう」


ドアの向こうで叫び声を聞く烏丸姉妹。

「それでどうしよう姉ちゃん」

「味付け濃い目にしないと厳しいかなぁ」高磯家に調味料の類が揃っているのが幸いだと烏丸は思った。

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