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タイトルは「小説の書き方」  作者: ドライパイン
7 女四会、そんでもって女死会
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28 そして実食タイム

「一杯目は普通に頂くとは言ったものの、こんなに普通の鍋になるとは」高磯が不穏なことを言い出す。

「普通の材料しか買っていなくて普通の調理をすれば美味しくなるんだって普通は」突っ込みを、仲林が一応入れておく。

四角形のテーブルを囲むようにそれぞれ座る。鍋からは軽く湯気が立つ程度に熱さが伝わってくる。

あごだしで作ると言っていた通り、キッチンの三角コーナーではあごだし(粉末タイプ)が封を切られている。……そこを市販品で済ませるのは正しいのか、と疑問に思う烏丸姉妹。高磯はというと、パック以外の鍋の出汁のとり方が分からない派閥。

「鍋を食べる時は黙るんだっけ」大学に入ってから、複数人で同じ料理を余りつつかなくなった高磯が疑問を抱く。理由としては、単に友人が料理を作りたがらないからである。

「それはカニを食べる時の話よ、このご時世カニなんて簡単に手にはいらないわ」仲林が最近食べたカニといえば、カニクリームコロッケ(カニエキスのみ)である。

「じゃあカニカマで」インスタント加工食品派の高磯。

「じゃあ捕りに行きましょう」アウトドアサバイバル派、烏丸。

「じゃあヤドカリで我慢しましょう」無人島生活派、三菜。

「皆さんの何処かズレてる食生活は良くわかりましたから、普通に鍋を頂きましょう」食生活から見える人生経験もあるのだなと、何だか感慨深く思いつつそれぞれの手元にあるお椀にポン酢を注いでいく仲林。

「それでは」勢いでなんとなく仲林が掛け声を出す。

「頂きます」4人の声が重なる。

「……行儀正しいですね、皆さん」自分で言っておきながら、三菜が呟く。

「私はそもそも料理してないからね」やや申し訳無さそうに高磯がこぼした。

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