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タイトルは「小説の書き方」  作者: ドライパイン
7 女四会、そんでもって女死会
125/191

27 第13回開催、予定

『高磯さんがある賞に応募しようとしていることは、本社の情報からもう伝わっているんだ。高磯さんの小説を心待ちにしている我々にとっては、是非ともその賞に応募して貰いたい』

「出版社同士の裏契約か何かが有るのかしらね」烏丸はその辺の事情には疎い。……多分古谷も知らないだろうと勝手に予想する。

「大人の契約の世界はよう分からないんですよね」肩をすくめる高磯。そんなんでいいのか、と流石に烏丸は心配になる。

「もう20歳なんだから印鑑と契約書の使い道は本当に気をつけなさい」年長者らしいアドバイスを送る烏丸。実際、烏丸が所属しているサークルにてアルバイト先との連絡が取れなくなった人もいた。

『難しい事は説明できないが、高磯さんの今後の作家人生に関わる話だ。僕達は君を応援したい一心で、このメールを送っている』

「すっげー怪しいぜ、ちょっと兄貴に電話してみようか」元々怪しい行為だったがこれは流石に、と烏丸は思い立つ

「ええっと、続けて下さいすいません」何か思い当たる部分があるのか、高磯は却って冷静だった。

ふむ、と了承しメール送りを続ける。本人の同意とあれば仕方がない。

『これは出版社同士の契約と考えて貰っても構わない。水果を通じて僕自身のメールアドレスに一先ず連絡を貰えないだろうか』


「……どうします?」情況証拠だけ見れば、身内であれ辰巳の行為は怪しすぎる。

烏丸に言ってもいいものか、少し悩む高磯。暫く互いに黙り込んだ後、切り出したのは高磯の方。

「あの賞は私達にとっても因果があるの、このメールがあろうと無かろうと私には関係がない。

私は自分の小説を完結させるだけ」

自分に言い聞かせるように、吐き出した言葉は高磯が自分でもちょっと驚くぐらいに強かった。

「お待たせー」

「烏丸ネーサンの手を煩わせなかったですよ」

「ゴメンしまった忘れてた」

調理組が鍋を持って来る。一先ずメール画面を閉じ、食卓を囲むことに2人は決めた。



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