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タイトルは「小説の書き方」  作者: ドライパイン
7 女四会、そんでもって女死会
122/191

24 10代少年漂流記

居間に戻った烏丸と高磯。だが、今回はゲームをする余裕が無い。議題は勿論、烏丸の兄のことである……が、何故か高磯の方が世間話を振っていた。

「古谷先輩のお知り合いということなら、烏丸さんも変人なんですね」

「高磯さんの中での古谷君の立ち位置が正直わからないんだけど」烏丸、変人扱いに少しむくれる。

「どうもあの先輩、周囲に変な人が集まるのを悩むフシがあるようで」高磯はというと、これをスルーした。

「結局私は変人扱いですかそうですか」ややふてくされてる烏丸。

「でも大概ふりゃー先輩も変人と思いませんか」

「クリームのみコーヒーを飲むぐらいあるしね、あとそのアダ名はなんなの」

「人工甘味料を極限までなくす餡菓子は何かというお題で高校にて研究したりしてました」

「何やってんだあの子」一応古谷は烏丸より1年年下だが、普段烏丸が彼を振り回す関係でいつの間にか敬語が無くなっている。

「結論はべっこう飴を食べるのが良いということになりました」

「ただの砂糖じゃんそれ」

「しかし妹さんと同じく烏丸さんもゲームを結構されるみたいですね」話題転換。案外普通に会話を楽しんでいいのかも、と烏丸は思い始める。

「家に何故かサテラビューが有るわ、あの時代から家族ぐるみでゲーマーなのかしら」

「その割にアウトドアもされてるんです? 先程アームロックを掛けてましたけど」正確には腕絡みとアウトドアは関係ないけど、と烏丸は先に言っておく。

「『何処でも生きていけるように』ってお婆ちゃんに幼いころから、山奥や大海に連れて行かれまして」

「何処でもって物理的な意味ですか」今度驚くのは高磯の方だった。

仮想無人島脱出計画ロスト・イン・ブルーは本当に漂流したままここで一生暮らすのかと思いました」

「やっぱり烏丸さんも常人じゃあないですね」古谷先輩に思いを込めて呟く高磯。どうも本当にそういう人を引き寄せる体質でも有るのかもしれないと考える。

「どちらかと言えば三菜とお兄ちゃんの方がアウトドアの才能あったんだけどね」

「辰巳さん、ですか」ポツリと漏らす高磯。地雷を踏んだ、かのように思えたがいずれは触れないといけない話題である。そろそろ事を構えなければならないと烏丸は覚悟していた。

その名前を口にして、高磯は少し考えこむように手を顎の下に触れさせる。

「教えて頂けるでしょうか、辰巳さんと水果さんがあの日私を追っていた理由について」

「……私の方から、高磯さんを追う積極的な理由は無いんだけどね、兄貴から一応聞いてみた」

烏丸は携帯を取り出し、メールの履歴を呼びたす。兄からの返信は、高磯に見せる前提で書かれていた。

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