間-2 メールを送る
携帯を開いたがてら、以前から気になっていた事柄について竹内にメールを送ろうとする。
「そもそもあの先輩はメール送っても返信来ないしな……」
以前そうしたメールを竹内に送ったことが古谷にもあった。
しかし彼女はその時海外に出ていて、連絡が帰ってきたのが日本に帰ってきたタイミング。即ち半年後だった。
海外で携帯使えませんでしたっけ、という竹内への疑問のメールも3週間後に戻ってくると散々だったので、
彼女と連絡を取るには直接電話するしか無い、それが繋がらなかったらもう諦めようという結論に至っている。
しかし、電話をする勇気が古谷には出なかった。
自身がある意味勝手な事情で書くことを辞めてしまったこと、本当に辰巳と結託して何か事件を引き起こそうとしているのか。或いは引き留めようとしているのか。
湧き上がる色々な思いがごちゃ混ぜになって、古谷自身には収拾がつかなくなる。
「……なーんか面倒だ」
上手く自分の思考をまとめられず、面倒の一言に集約しようとする古谷。そう言ってしまうことで、単に自分が物ぐさだということにしておきたいと考えている。
自分自身だけの問題なら迷ったままでいいが、今回は高磯も関わっている。
「昼食べたら、電話してみようか」
自分に対して言い聞かせるように、古谷はひとりごつ。