20 6皿分でルウ半分
買うべき量がわからないまま適当な量を購入し、スーパーマーケットを後にする烏丸と仲林。
さほど急ぐ必要もなく、のんびりと高磯の家へと戻っている最中であった。部屋に戻ったらゲーマー勢を一気に処ろす予定があったが。
「ただ、あんまり沢山買うわけにもいきませんでしたね」片手に持てるぐらいの野菜と鶏団子、あと追加の飲み物を持って2人は歩いていた。
「そうだよね、お腹いっぱい食べるわけにも行かないし」
「あら、そこは挑戦思考では無い」
「食べ物で吹っ飛んだことは出来ないわよ」
「全く同意です、うん」仲林は力強く頷く。
「もしも美味しくいただけない時はどうする?」何か思う所が有りそうだったので、烏丸は聞いてみる。
「カレー粉です、持ってきました」何故か鞄の中から、何処かから取り寄せでもしたのかよく分からない言語で書かれたパックを取り出す。話の流れからして、カレー粉だろうかと烏丸は推測した。
「カレー好きねぇ」特にそれ以上の感想が出てこなかった、困惑込みで。
「ボンカレーはどう作っても美味いものですから、カレーは万能です」
「カレー粉でヤバイことした先輩がいるそうだけど」先ほどの会話を思い出す烏丸。
「反撃がてらあの人にカレーが美味しいことを舌に教え込みました。暫く甘みを感じれなくなりましたが」
「怖いわよ、アナタ料理と称して劇薬振る舞ったりしてないかしら」因みに烏丸の母親は無意識的に毒薬になるタイプである。
「薬も量を謝れば毒になるのと一緒です」腕組みをしながら仲林が返答する。まあ、食事を大切にする人に悪い人はそんなに居無さそうだと烏丸は思うばかりであった。